こんにちは、革靴伝道師として活動しているこひ先生(@k_leather_lover)です!
今年の正月実家に帰ると、置いていったグレンソンと再会。この冬に引き取って帰ることにしました。
ただ茶靴が多くなってしまったのでどうしても黒にしたい。
そう思って、今回は友人の石川大補さんと染色に挑戦することにしました。
きっかけ
私は昨年、中古で茶色のストレートチップを買いました。別記事でも紹介した、英国靴グレンソンです。
若干色が明るめですが、仕方ない。
次回からは無色透明で対応します!だいぶ見違えてきました。
※これ黒染めしたかったけどどうしようかな。 pic.twitter.com/Da4a7X5MtU
— こひ先生 @革靴伝道師 (@k_leather_lover) 2018年2月12日
実はこれ、もともと黒に染め変えるつもりで買ったんです。
「#中古靴を買って磨く会」と称した手前、すぐ染めるより履いて楽しむことを優先してしまいました。
ただ一年経ち、中古靴だったので失うものもないと一念発起してみました。
このグレンソンがどこまで黒くなるのか、様子を見ていきたいと思います。
材料の買い出し
Amazonで買うといつ来るか不安なので、東急ハンズ渋谷店で実際に買ってみました。
事前に知人に相談し、買った商品は下記です。
- アセトン(脱色剤)
- スピラン(染料剤)
- 刷毛
買い物のポイントは薬剤の場所が結構バラバラだった点です。
アセトンは「DIYコーナー(B1)」、スピランは「クラフトワークコーナー(6F)」で探すのに少々苦労しました。お近くのお店でもそういう区別はしてそうですね。
・・・
あとは会社の消毒用エタノールを借りて「薄め液」代わりにし、「マスク」や「布切れ」(シャツを破いた)をコンビニで当日買いました。
全体の手順と注意点
手順
1月某日。さっそく当日を迎えました。上記3点と薄め液、マスク、布切れを用意して作業に入ります。角缶がやたら物騒ですね(笑)。
全体の作業は大きく分けて、下記4ステップになります。
- マスキングで下準備
- アセトンやシンナーで脱色
- スピランなど染料で着色
- 乳化性クリームで艶入れ、補色
注意点
アセトンとシンナーを使って革靴から色を拭き取るのですが、マスクが必要です。
私たちは野外で作業しましたが、それでもマスクを付けてました。
加えて、そのまま薬剤に触れないようにしましょう。自宅のキッチンからビニール手袋を持ってきて作業しました。
解説
マスキングで下準備
まずタンやコバの部分をテープでマスキングしていきます。特にタンは、作業中に指を奥まで滑り込ませるため、意識して貼りましょう。
私の場合は黒のストレートチップにしたかったので、タンだけに集中しました。
しかし本来であればここには時間を充分に掛けて、塗りたくない部分をしっかり保護すべきですね。
アセトンやシンナーで脱色
脱色に入ります。こちらはまな板の鯉ならぬ、作業台のグレンソンです。
ここからビニールで覆った手に布を巻き、アセトンとシンナー(石川さん持参)でガシガシやっていきます。
布とビニールが手の元で滑るため、握り込んでグリップさせないと、力を入れて拭けません。
布にシンナーを浸し、湿り気を感じたらこすっていきます。
二人で30-45分程度、黙々と脱色に励んでました。このように茶色の色素がどんどん抜けていきます。
通常のクリーナーよりちょっと力を入れる容量で、布の面を変えてやり続けました。
途中経過ですが、こういう風に抜けていきます。
スピランなど染料で着色
正しい表現かは置いておいて、アッパーがだいぶ「原皮っぽく」なってきました。
着色された「茶色」ではなく、本当に革の素地が表面化してきた印象です。
ここで、染料のアセトンを塗って色付けしていきます。
こんな風にボウルにあけて、1:1の割合でエタノールを追加。染料原液と薄め液で割ります。
最初は布に染料を染み取って擦り付けていたのですが、
私の場合はアッパーにマスキングも無かったので、ハケを使って色をガンガン塗っていくことにしました。
「染料原液と薄め液で割ったもの」を塗り割って5分程度乾かしたら、最後に「染料原液」で染め上げします。
ただ、この時点では艶も無かったので反射せず、「…黒?」という感じでした。
乳化性クリームで艶入れ、補色
最後に、基本的なシューケアであるクリームとブラッシングです。
手持ちのブートブラック(黒)を塗って磨いていきます。
この時は指で入れていったのですが、めちゃめちゃ革がクリームを吸い取って行きました(笑)。
ここから一気に艶感がよみがえり、黒の革靴っぽさが増してきます。
ここまで来ると「すげええええええええええええええ」と石川さんと言い合う(笑)。
愛靴を撮る私、撮られてた。
まとめ
ビフォーアフター
これから染める前、脱色後、染色後の姿を並べてみます。
艶の蘇り方、色の付き方がよく分かると思います。
使った道具振り返り
私が購入したもの、会社から借りた備品、友人の石川さんに借りた道具などまとめると下記になります。
- アセトン(脱色剤)
- スピラン(染色剤)
- エタノール
- シンナー
- 刷毛
- ビニール手袋
- マスク
- マスキングテープ
- 大きめの布切れ
- 下敷きになる紙
- 乳化性クリーム
- 豚毛ブラシ
生まれ変わったグレンソン
#中古靴を買って磨く会 のきっかけとなったグレンソン。
黒染めに成功しました。中古靴を買って染める会にしてもいけますね。 pic.twitter.com/jhDpSohHEa
— こひ先生 @革靴伝道師 (@k_leather_lover) 2019年1月11日
最後まで読んでいただきありがとうございました。
石川さんの助けを借りて、実質自分では50%くらいかもしれませんが(笑)、どうにか黒染めできました。
まわりの環境に配慮し、しっかり準備すれば3-4時間程度でできると思います。皆さんも参考にしてみてください。
■撮影協力
石川大補さん(@dangerous_intelligence_by_dsi)
本日使った道具を買いそろえたい方へ(一部)
扱いが難しく、店舗に行って店員さんに聞いた方がいい薬品もあるので、ご紹介は一部にしますね!
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