革靴を染め替えてみた! 脱色から染色まで、茶から黒へ大変身。

革靴・靴磨き

こんにちは、革靴伝道師として活動しているこひ先生(@k_leather_lover)です!

今年の正月実家に帰ると、置いていったグレンソンと再会。この冬に引き取って帰ることにしました。

ただ茶靴が多くなってしまったのでどうしても黒にしたい。

そう思って、今回は友人の石川大補さんと染色に挑戦することにしました。

きっかけ

私は昨年、中古で茶色のストレートチップを買いました。別記事でも紹介した、英国靴グレンソンです。

 

実はこれ、もともと黒に染め変えるつもりで買ったんです。

「#中古靴を買って磨く会」と称した手前、すぐ染めるより履いて楽しむことを優先してしまいました。

ただ一年経ち、中古靴だったので失うものもないと一念発起してみました。

このグレンソンがどこまで黒くなるのか、様子を見ていきたいと思います。

材料の買い出し

Amazonで買うといつ来るか不安なので、東急ハンズ渋谷店で実際に買ってみました。

事前に知人に相談し、買った商品は下記です。

  • アセトン(脱色剤)
  • スピラン(染料剤)
  • 刷毛

買い物のポイントは薬剤の場所が結構バラバラだった点です。

アセトンは「DIYコーナー(B1)」、スピランは「クラフトワークコーナー(6F)」で探すのに少々苦労しました。お近くのお店でもそういう区別はしてそうですね。

ローパススピラン 黒 100cc

・・・

あとは会社の消毒用エタノールを借りて「薄め液」代わりにし、「マスク」や「布切れ」(シャツを破いた)をコンビニで当日買いました。

 

全体の手順と注意点

手順

1月某日。さっそく当日を迎えました。上記3点と薄め液、マスク、布切れを用意して作業に入ります。角缶がやたら物騒ですね(笑)。

全体の作業は大きく分けて、下記4ステップになります。

  1. マスキングで下準備
  2. アセトンやシンナーで脱色
  3. スピランなど染料で着色
  4. 乳化性クリームで艶入れ、補色

注意点

アセトンとシンナーを使って革靴から色を拭き取るのですが、マスクが必要です。

私たちは野外で作業しましたが、それでもマスクを付けてました。

加えて、そのまま薬剤に触れないようにしましょう。自宅のキッチンからビニール手袋を持ってきて作業しました。

 

解説

マスキングで下準備

まずタンやコバの部分をテープでマスキングしていきます。特にタンは、作業中に指を奥まで滑り込ませるため、意識して貼りましょう。

私の場合は黒のストレートチップにしたかったので、タンだけに集中しました。

しかし本来であればここには時間を充分に掛けて、塗りたくない部分をしっかり保護すべきですね。

アセトンやシンナーで脱色

脱色に入ります。こちらはまな板の鯉ならぬ、作業台のグレンソンです。

ここからビニールで覆った手に布を巻き、アセトンとシンナー(石川さん持参)でガシガシやっていきます。

布とビニールが手の元で滑るため、握り込んでグリップさせないと、力を入れて拭けません。

布にシンナーを浸し、湿り気を感じたらこすっていきます。

二人で30-45分程度、黙々と脱色に励んでました。このように茶色の色素がどんどん抜けていきます。

通常のクリーナーよりちょっと力を入れる容量で、布の面を変えてやり続けました。

途中経過ですが、こういう風に抜けていきます。

スピランなど染料で着色

正しい表現かは置いておいて、アッパーがだいぶ「原皮っぽく」なってきました。

着色された「茶色」ではなく、本当に革の素地が表面化してきた印象です。

ここで、染料のアセトンを塗って色付けしていきます。

こんな風にボウルにあけて、1:1の割合でエタノールを追加。染料原液と薄め液で割ります。

最初は布に染料を染み取って擦り付けていたのですが、

私の場合はアッパーにマスキングも無かったので、ハケを使って色をガンガン塗っていくことにしました。

「染料原液と薄め液で割ったもの」を塗り割って5分程度乾かしたら、最後に「染料原液」で染め上げします。

ただ、この時点では艶も無かったので反射せず、「…黒?」という感じでした。

乳化性クリームで艶入れ、補色

最後に、基本的なシューケアであるクリームとブラッシングです。

手持ちのブートブラック(黒)を塗って磨いていきます。

この時は指で入れていったのですが、めちゃめちゃ革がクリームを吸い取って行きました(笑)。

ここから一気に艶感がよみがえり、黒の革靴っぽさが増してきます。

ここまで来ると「すげええええええええええええええ」と石川さんと言い合う(笑)。

 

愛靴を撮る私、撮られてた。

まとめ

ビフォーアフター

これから染める前、脱色後、染色後の姿を並べてみます。

艶の蘇り方、色の付き方がよく分かると思います。

使った道具振り返り

私が購入したもの、会社から借りた備品、友人の石川さんに借りた道具などまとめると下記になります。

  • アセトン(脱色剤)
  • スピラン(染色剤)
  • エタノール
  • シンナー
  • 刷毛
  • ビニール手袋
  • マスク
  • マスキングテープ
  • 大きめの布切れ
  • 下敷きになる紙
  • 乳化性クリーム
  • 豚毛ブラシ

生まれ変わったグレンソン

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

石川さんの助けを借りて、実質自分では50%くらいかもしれませんが(笑)、どうにか黒染めできました。

まわりの環境に配慮し、しっかり準備すれば3-4時間程度でできると思います。皆さんも参考にしてみてください。

 

■撮影協力
石川大補さん(@dangerous_intelligence_by_dsi)

本日使った道具を買いそろえたい方へ(一部)

扱いが難しく、店舗に行って店員さんに聞いた方がいい薬品もあるので、ご紹介は一部にしますね!

ローパススピラン 黒 100cc

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