新品の革靴を買ってまず初めにすべきことまとめ:プレメンテから道具の準備、履き皺、スチール等

ケア道具・革製品

こんにちは、皆さんいかがお過ごしですか?  革靴伝道師のこひ先生(@k_leather_lover)です。

やっぱり春になると弊社の新卒や他社の同期仲間に「革靴の新品買ったけど、まず何からしたらいい?」という相談を受けます。

私は社会人になって早3年目。IT企業のしかもマーケティング部門で、革靴を履く機会は特に多くないのに革靴を買いまくっています。おかげで信頼の相談窓口になってしまいました。

もちろん相談を受けたら都度その人に合わせてチューニングした情報を届けているんですが、ちょうどこの機会に、買った後に絶対やって欲しいこと、マニアックだけど大事なことを整理してみることにしました。

 

デリケートクリームによる保湿、革の軟化をうながす

まず新品の革靴に必要なのはクリームによるプレメンテ(=事前のお手入れ)です。ただ、こう言うと「新品なのに手入れが必要なのか?」と思う人がいるかもしれませんね。

実は靴屋さんに展示されている靴や在庫として箱に入っている靴は長時間のディスプレイや保管により、乾燥している場合があります。

そこで革に水分と油分を与えて乾燥から回復させ汚れを防止します。私のおすすめはデリケートクリーム。

デリケートクリームはクリームのなかでも色の成分がほとんどない保湿が目的のケア商品です。色を選ばず基本的にスムースレザーなら何にでも塗布できる優れものです。

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また購入して間もなくは革が固くて、足の指に当たって痛いことはしばしばあります。

その場合は靴のぶつかる部分の外側と内部にクリームを塗っておくと柔らかくなって痛みが軽減して良いですよ。意外に思うかもしれませんが革靴の内側も革でできているので大丈夫。

■関連記事:
革靴を柔らかくし痛さを軽減させる方法:デリケートクリームを使って

 

同色クリームとシューツリーで基本のケアができるように

クリームには大分すると油性(左)と乳化性(右)がある

デリケートクリームを初回にお勧めしたのは色を選ばず塗れるからですが、ずっと透明のクリームを使い続けていては色抜けや小傷が目立ってきてしまいます。

なので基本的には最初の一ヶ月のフルメンテ時までに靴に色を買い揃えておきましょう。同じ色か若干薄い色をチョイスすると間違いありません。

特に茶色を色選びが難しいので、実際に履いて行って店員さんと一緒に選ぶのをおすすめしますよ。黒なら黒で良いんですが、明るい(黄色系)茶色ならライトブラウン、暗い(赤系)茶色ならダークブラウンといった感じで柔軟に。

■関連記事:
結局何で革靴を磨くべき? 乳化性と油性クリーム(靴墨)の違いまとめ

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シューツリーにはたくさんのタイプがある

また革靴の皺伸ばしや湿気取りに役立つシューツリーは絶対に買いましょう。革靴の見た目と寿命に直結します。シューツリーは革靴購入時に「必要経費」と思うべし、です。

シューツリーは重要な割に選ぶのが難しくて厄介な存在です。なぜなら革靴の履き口や木型に沿った種類のシューツリーを入れる必要があります。

間違った買い物をすると無理に入れてアッパーの形が崩れたり、そもそも入られなかったりします。私は革靴を買った日はその足で百貨店に行き、シューツリーを試してできるだけ合う商品を買うようにしています。

 

こだわりの履き皺を作るひと工夫:皺入れの儀式

この章では、ややマニアックですが靴を綺麗に魅せるテクニック「皺入れの儀式」を紹介します(全然やらなくても良いけど、やった方が見た目が良くなる技術です)。

皆さんは靴の皺を気にしたことありますか?

5年履き尽くした筆者のリーガル。履き皺がお気に入り

実感がない人も多いかもしれませんね。長く履き尽くされた革靴は履き皺周辺が光を反射してかっこよくなります。

ただ人の足のサイズや歩き方は左右でぴったり同じことはあり得ません。そのため皺の入り方も変わってしまう恐れがあります。

特にコードバンやガラスレザーなど皺まわりが目立ちやすい靴だと見た目を大きく損ねてしまう場合も。そこでできるだけ狙ったところに皺が入るように仕向ける技が「皺入れの儀式」です。必要なものはペンか棒一本だけ。

具体的な皺入れの手順

まずは皺を入れたい箇所にざっくりと狙いをつけます。

片手でペンを押し付けて革の上に「横一文字」を入れます。この状態でもう片方の手で靴の踵を挙げて「く」の字に曲げていきます(ペンを挟み込んで皺を入れるイメージ)。

手を離した様子。このように、クタッと線が入っていきます。

もしくは実際に履いて、足入れした状態で上から痕を付ける方法もあります。

こちらも自分の踵をリフトする一方で、手でペンを押さえ込んで「く」の字に挟むイメージ。

分かりづらいかもしれませんが、新品の靴もこのように薄く線が入りました。一見して大雑把な作業ですが、この痕に沿って皺が入るようになります。

 

トゥスチールとハーフラバーで更なる安心を

最後に靴底についてもポイントを紹介します。あなたの靴がレザーソール(木のように見えるけど革です)の場合は、これからお伝えする選択肢をぜひ検討してください。

トゥスチール

トゥスチールとはつま先に入れる鉄のこと。削れを防止してくれるパーツです。駅構内の某店や百貨店の中にある修理屋さんなど色々なところで対応してくれます。なぜこんなものが必要なのか?

理由は買ったばかりの靴は反りがなく、つま先が削れやすいからです。そうなると靴底全体が痛んでない場合でも、つま先が削れているためにソールを全取っ換え(オールソールと言います)する可能性が出てきます。

筆者は実験的にスチール有と無をそれぞれ保有している

つまり削れると取り返しつかないつま先を始めから鉄のトゥスチールに差し替えることで、オールソールするまで寿命を延ばせるのです。

「カチカチ音がする」とか「滑りやすくなる」というクチコミを聴いたことがありますが、個人的な実感はほとんどないです。普通に削れから守ってくれていると思います。

ただ、こちらは買ったばかりの靴を修理に出す必要もあるので、革靴に強い関心がなければやらなくて良いかなと正直思います。

ハーフラバー

どちらかと言うとお勧めはこちらのハーフラバーです。レザーソールの表面を少し削り、ゴムのラバーを糊付けして圧着させます。

こうすることで雨の日でもレザーシューズに比べて履けるようになります。またゴムのグリップが効いて滑りづらくなるので超おすすめ。

革の底に蓋をしてしまう分、「反しの良さと通気性を失う」という意見もたしかにありますが、実感としてあまり気になりません。それどころか滑らない安心感と、反しが強くて足が痛かった分が緩和されて良かったです。

これはレザーソールに飽きた、もしくは挑戦したものの嫌になった人が是非とも取り付けてもらいたいオプションです。

 

まとめ

参考になりましたか? 今回の記事をまとめると下記になります。

 

  • 購入仕立ての靴にはデリケートクリームなどで保湿してあげる
  • できるだけ履きおろしの前に靴クリームとシューキーパーを買い揃える
  • 皺が気になる、本気で育てたい人は「皺入れの儀」を執り行う
  • 必要に応じてトゥスチールやハーフラバーを取り付ける

 

以上です。後は強いて言えば防水スプレーで新品の靴が汚れない様に防水防汚するとか、ですね!

これができれば革靴を履きおろしに関する知識は十分ですよ。ガンガン履いて、相棒を育てていきましょう! 最後までお読みいただきありがとうございました。

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