革靴用ワックスの選び方! おすすめの種類や成分、効果、乾燥目安や注意点など

ケア道具・革製品

銀座や丸の内を歩いていると「あの人の革靴、めちゃめちゃ光っててかっこいいな~」と憧れたことはないでしょうか。

私は社会人1年目になってから革靴のケアを本格的に学び始め、半年でひと通りできるようになりました。

そのなかで特に失敗を重ねた作業はワックスを使った「鏡面磨き」でした。

「なんでできないんだ……」

後々知識を身に着けて分かったことは、鏡面磨きには磨く技術以前に、道具の準備が重要だったことです。ワックスには絶妙な乾燥させ具合が求められるのです。

この記事ではワックスの成分から選び方のコツ、おすすめのワックスをご紹介します。

革靴用ワックスとは

クリーム(靴墨)との役割の違い

靴屋さんに行くとシューケア道具はたくさん取り扱っていますが、薬剤は「クリーム」と「ワックス」で大分できます。

クリーム(靴墨)はチューブタイプや瓶タイプ、かたちは様々ですが、革のなかに栄養や色素を入れることが目的です。

一方、ワックスは革の表面をコーティングして、小傷を埋めて目立たなくさせたり、新しい傷や汚れから防いだり、単純に光らせたりする目的があります。

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革靴のお手入れは「シューケア」と「シューシャイン」で二つに分けられます。別記事で詳しく紹介しましたが、クリームは前者で、ワックスは後者で使います。

 

■関連記事:
革靴のお手入れ、基本の磨き方特集! 頻度や道具、手順まとめ

どんな成分が含まれるのか

革靴用ワックスの主成分はロウ、油脂、有機溶剤です。ロウは革に光沢を与え、油脂が保革作用を持ち、有機溶剤がロウと油脂の潤滑剤となります。

クリームと成分はほとんど変わりません。ただ、ワックスの方が圧倒的にロウ分が多いため、乾いた時にガチガチに(それこそ、ロウソクのように)なります。

■関連記事:
結局何で革靴を磨くべき? 乳化性と油性クリーム(靴墨)の違いまとめ

 

革靴のお手入れにワックスを使う主な理由

そもそも何故、革靴にワックスを使う必要があるのか。理由をまとめてみます。

表面の傷や汚れを防ぐため

まず第一に、傷つきやすいつま先や踵部分を守るためです。

歩行していると片方の足で片方の足にぶつかることがあったり、階段の縁に当てたり、色々な障害物に見舞われます。

そうすると大なり小なり傷がつき、少しずつ削れたり凹んだりします。放っておくと、雨などの水分を受けて、傷が悪化することも。

そういう時のために、ワックスで革の表面を覆って守ってもらうのです。

お手入れしている感じを出すため

世界一の靴磨き職人、長谷川裕也氏に磨いてもらったパラブーツ

次に、見た目の印象を良くする点も理由として挙げられます。

先述のとおり、つま先は一番目立つうえに汚れやすく、お手入れしているかどうかがすぐ目に付きます。

ワックスを使って鏡面磨きされた靴は立った位置からでも明らかに分かります。また、輪郭を意識して磨かれていればいるほど革靴全体がシャープに見えます。

銀行や保険など金融業や、車などの高単価な機械メーカーの企業のなかには、靴磨きのワークショップが研修に組み込まれているところもあります。

革靴含め、身だしなみが他者への気配りとして重んじられているからでしょう。

 

革靴用ワックスを使う上で注意点

下地用・光沢用という区別がある

皆さんは自分の革靴の表面を思いっきり近くで見たことはありますか? 革靴に使われる革はおもに牛革なのですが、天然素材のため毛穴があります。

ワックスを使って革靴を光らせるための注意点として、この毛穴を万遍なく埋めるために下地を作る必要があります。

つま先に下地として柔らかいワックスを一層塗った様子

また、ワックスでしっかり下地を作ったうえで、ロウ分の強い光沢用のワックスで層を重ねていく作業があります。

そのため、コロンブスなど一部のメーカーでは「下地用ワックス」と「光沢用ワックス」と分けて販売しています。

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自分で乾燥させて硬さを変える必要がある

「下地用」「光沢用」の区別があると上記しましたが、要は毛穴が埋めやすいワックスと表面を光らせやすいワックスの二種類があれば良いのです。

そのため、自分でワックスを複数買って好きに区別することもできます。そこでポイントとなるのが「乾燥具合」と「硬さ」です。

左がよく乾燥させたもの、右が少しだけ乾燥させたもの

買ったばかりのワックスはすぐ使わず、蓋を開けて放置してください。

なぜなら適度に乾燥させて有機溶剤をある程度飛ばして、ロウ分を固める必要があるからです。そのままだとベチャベチャしてほとんど使えません。

私のおすすめは【3-4日開けたワックス】と【7-10日開けたワックス】で硬さの違うワックスを2つ作ることです。

環境によって乾燥具合が変わりますが、前者はこすりやすく柔らかく、後者は力を入れてやっと擦り取れるくらい。これが先述した「下地用」と「光沢用」の二種類に当てはまります。

落とすときはワックス専用の落とし剤を使う

鏡面磨きをした場合は落とすときもコツが要ります。

尊敬する靴磨き職人さんに教わったのですが、シューケア業界では「水汚れは水性で落とし、油汚れや油性で落とす」という格言があるそうです。

ワックスは油の塊のようなもので、水性のステインリムーバーではなかなか落とせません。

そこで、鏡面をブラシで割って払い落とした後、油分の多い「ポリッシュクリーナー」で表面を少し力を入れて擦り、最後の仕上げに「サフィール クレム1925」のナチュラル(透明)で拭き上げると綺麗になります。

おすすめの革靴用ワックスの種類

KIWI パレードグロス プレステージ

  • 正式名称:KIWI パレードグロス プレステージ
  • 価格:690円(税込)

定番中の定番。世界中で愛されるワックスです(私が3年前の学生時代に旅行した東アフリカの沿岸地域ですら置いてあった)。

色はブラック、ブラウン、ダークタン(焦げ茶)、ニュートラル(透明)の4種類。

使いやすさと入手しやすさが優れています。私はそれぞれ2色ずつ買って、硬めと柔らかめのワックス作り置きしています。

サフィール ミラーグロス

  • 正式名称:サフィールノワール ミラーグロス
  • 価格:2376円(税込)

靴磨きする人で知らない人はほとんどいないプロも認めるワックス。ブラックとニュートラル(透明)の二色があります。

本来明確な区別はないですが、個人的には「光沢用」として使っています。

乾燥させるとかなり硬くなるため同色の柔らかいワックスを指表面に残したまま、力を入れて擦り取ります。力は要りますが、これを使うと効率良く光らせられるのでぜひ試して欲しいです。

まとめ:鏡面磨きには意外に準備が大変

参考になりましたか? 今回の内容をまとめると、下記になります。

  • ワックスを使い鏡面磨きをすることで、革靴の汚れ防止効果や見た目の良さが向上する
  • 毛穴を埋めて表面を滑らかにさせて光らせるために、硬さの違うワックスを用意すると良い
  • ワックスを落とす際は、ワックス専用の薬剤を使う必要がある

以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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