あっという間に春になって、桜が舞い散り、新緑がひょっこり芽吹いてきましたね。私の会社でも研修を終えた新卒が少しずつ業務に顔を出すようになりました。
自分の社会人スタートさせた頃は失敗するのが怖くてダサく見られたくなかったり、周りに追い抜かれたくなかったり、全てがおっかなびっくりでした。
業務に集中するために、まず服装だけでもちゃんとしたい、そのうえで「革靴は良いものを選ぼう」と心がけていました。
今回は若い人が革靴に投資し、良い革靴に出会えるように記事を書いてみました。
本格的な革靴を若いうちに買うべき理由
この章ではなぜ若い人が革靴に投資すべきか考察します。
そもそも「大事なお金を革靴に優先的に使うのは理解できない」と思う方がいらっしゃるはずです。引っ越しや一人暮らし、友人や恋人との交際、結婚や出産、資格試験や自己啓発など20代は本当にお金が飛んでいきます。私もご多分に漏れず、ひもじいサラリーマン生活を送っています。
本記事における「良い革靴」の定義は次項で述べますが、大学生から革靴を履き始めて新社会人になって少しずつ集め始めた私にとって、本格的な革靴に投資をすることはリターンの大きいお金の使い道だと確信しています。
なぜなら若いうちは身体がアクティブに動くため履ける回数が多く、足馴染みして自分にフィットした革靴に育っていきやすく、経年変化もより長く楽しめるからです。
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「革靴不要論」には疑問が残るわけ
前提として革靴には足を地面の障害や汚れから守り、汗を吸い取ってくれ、長距離を歩いても疲れにくくする機能的便益があります。またコーディネイトの際に足元をまとめてフォーマルな印象をもたらす効果もありますよね。
たしかに温暖化が進んでクールビズといった軽装化の流れが存在したり、素材の研究によって気持ち良い履物が増えていたりして、革靴は履かれにくくなっています。
ただし高齢化社会でビジネスする相手の年齢が自分よりも高くなることやファッション文化にたびたび「揺り戻し」が発生するという傾向を鑑みると、革靴と一切無縁な人生を送るひとはごく少数なのではないでしょうか。
若い人にとっての「良い革靴」の定義
いずれにせよ、持つべき革靴は高級品である必要はありませんし、たくさん持つ必要もありません。
私は皆さんには「自分が愛せる、毎日履きたくなる革靴」をまずひとつ手に入れて欲しいと強く願います。そこで、本項では若い人にとって「良い革靴」とは何かを自分になりに考えてみます。
先ほど「履ける回数が多く、足馴染みして自分にフィットした革靴に育っていきやすく、経年変化もより長く楽しめるから」革靴を買うべきだと主張しました。そのため、まずはある程度の耐久性があり経年変化を楽しめる革や製法が用いられた革靴は良さそうです。
一方で、コストも無視できません。以前別の記事に書きましたが新卒の平均的な給与は20万程度だそうです。なので一ヶ月分の給与の10分の1~2、つまり「2~4万円台」で手に入る革靴というのも条件に入れておきます。
若い人におすすめする本格派の革靴メーカー3選
まず前項までの良い靴を選ぶためのポイントを整理します。
- そもそも履き心地が悪くなく、目上の人に見せても恥ずかしくない革靴(大前提)
- ある程度の耐久性があり経年変化を楽しめる革や製法が用いられた革靴
- 2~4万円代で買える革靴
また、革靴を履く経験がそれまで少ない若い人には最初の一足は選びづらいはず。そのため店舗で試しやすく慎重に選びやすい方がベターでしょう。それらの観点で選んでみました。
リーガル
https://www.regalshoes.jp/shop/
まずは日本の革靴市場のなかで最も直営店数、出荷台数が多いリーガルです。日本を代表するメーカーと言っても過言ではないですが、元々は軍靴製造の知見を生かしアメリカのライセンスブランドでした。
ケンフォードやシェットランドフォックスなど優秀な兄弟モデルは多いですが、今回は条件面から「リーガル」本体をチョイスしています。
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01DRCD(ストレートチップ)
定番中の定番、01DRCDをご紹介します。コバが丸く柔らかな見た目にカットされたヤハズ仕上げで、ソールも革。初めての本格靴にしては文句なしです。
正統派のストレートチップということもあり、ビジネス寄り。黒を選べば冠婚葬祭にはもってこいですが、カジュアルに使うにはちょっと難しそう。
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参考:https://www.regalshoes.jp/shop/g/g01DRCD_____DBR__235/
810RAL(プレーントゥ)
続いてプレーントゥの810RALをご紹介します。先ほどと違いソールがゴムでできており、革表面に薄く樹脂加工されているため、少々の雨にも履いていけます。
プレーントゥを選べばカジュアルでもフォーマルでも合わせやすいので、最初の一足には良いと思います。私はこの木型のパンチ穴がU字に付いた別タイプを6年間履き続けています。
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参考:https://www.regalshoes.jp/shop/g/g810RAL_____B____235/
スコッチグレイン
次に紹介するのは、浅草の職人さんが丁寧に作り上げるヒロカワ製靴のスコッチグレインです。
同社は仏のアノネイや独のワインハイマーといった世界的に評価の高いタンナーから素材を卸しているため、革質の高さにも定評があり高級靴の入門にはぴったり。
デザインがフォーマルユースを想定したものとなっているため、どのラインもカジュアルには合わせにくい印象を受けます。革靴をスーツに合わせるつもりで購入する場合は候補に入れて間違いないでしょう。
オデッサ 916BL(ストレートチップ)
916BLは正統派のストレートチップです。革のキメが細かいのでトゥやカウンター(踵)にワックスを乗せて鏡面磨きしてもかっこいいですね。
私も一度店舗で履いたことがありますが、若干踵が緩い設計になっています(一説には脱ぎ履きする日本人のライフスタイルに合わせたとか)。やっぱり要試着。
参考:http://www.scotchgrain.co.jp/shoes/index.html, http://www.scotchgrain-shop.com/category-260/black/916ble.html
アシュランス 3524BL(プレーントゥ)
リーガルの810RALに比べ、若干ノーズが長い印象。先がちょっと角ばったセミスクエアになっていて着回しには制限がある。
ソールはレザーですが滑り止めが内蔵されています。
参考:http://www.scotchgrain.co.jp/shoes/index.html, http://www.scotchgrain-shop.com/category-260/black/3524bl-3e.html
ユニオンインペリアル
http://www.union-royal.jp/item/unionimperial/
ユニオン・ロイヤル社はイタリアの靴作りの手法を取り入れた日本の会社。そんな同社のブランド「ユニオンインペリアル」はどの靴もヨーロッパの気品が漂います。
ハイグレードなモデルも出していますが、グッドイヤー・ウェルテッド(機械式で出し縫いする)製法のモデルでも仏のアノネイ社の良質な革が使われています。
U2001(ストレートチップ)
今回紹介したストレートチップのなかでも、このU2001はトゥに丸みがありアッパー全体に柔らかさを感じます。ねじれの効いた本格的な木型も履き心地が良さそうです。
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参考:https://www.union-royal.com/SHOP/U2001.html
U1945(プレーントゥ)
このU1945は一般的な外羽根プレーントゥよりも鳩目が3つ(通常5~6つ)のためレースステイが小ぶりで、佇まいが素敵。
作りも本格的な手製の九部仕立てで比較的軽く、ダイナイトソールというゴム製底のため天候気にせずガンガン履けてしまいます。
参考:https://www.union-royal.com/SHOP/U1945.html
まとめ
参考になりましたか? 今回は若い人が早いうちから自分に合う革靴を見つけることで、どれくらい利益を享受できるか考えてみました。今回の記事の内容をまとめると下記です。
- 若いうちは身体がアクティブに動くため履ける回数が多く、足馴染みして自分にフィットした革靴に育っていきやすく、経年変化もより長く楽しめるから革靴に投資すべき
- 見た目、耐久性や経年変化、価格の手頃感と相談して、自分に合う革靴を探してみる
- なかでもプレーントゥやストレートチップなど合わせやすく履き続けやすいタイプから入るのはおすすめ
皆さんの革靴ライフの入り口を少しでも後押しできれば幸いです! お読みいただきありがとうございました。