さて、あっという間に9月になりました!
この時期は暑さが和らいだと思うと、台風が未だ突っ込んできたりして、革靴ユーザーが真に試される時期と言えます(言えません)。
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さて、今回は私の念願であったスーツをオーダーしたときの体験記になります!
いやー革靴愛好家を語りながら今までスーツに気合い入れてこなかったので、本当に素敵な経験でした。
この度は株式会社オンワードパーソナルスタイルのご担当者さんとスーツや革靴について語り合い、実際に相談して採寸してもらう過程をまとめました!
きっかけは革靴仲間の誘いで出張靴磨きしたこと
革靴市場とマニアの話で大盛り上がり
7月某日、革靴大好き仲間であるマモさん(@FittingDiary)から「服飾業界で会わせたい方がいて、ぜひ出張靴磨きに来て欲しい」とご連絡をいただきました。
そのご縁で、株式会社オンワードパーソナルスタイルの安藤さんとお会いできました。
株式会社オンワードパーソナルスタイルはオンワードグループのなかでも、おもにオーダーメイドのスーツやシャツを企画、製造、販売を手がける企業さんです。
WeWorkで こひ先生 @k_leather_lover と某服飾ブランドさんとミートアップ。 pic.twitter.com/yAi933CLb7
— マモ@靴活日記(革靴活動) (@FittingDiary) July 30, 2019
本日の磨き pic.twitter.com/AKipHboWA5
— マモ@靴活日記(革靴活動) (@FittingDiary) July 30, 2019
私はシューケアだけでなく、革靴がどうして履かれなくなってしまったのか、何を目標に革靴の布教活動をしているのかお話しました。きっと鼻息が荒くなっていたと思います(笑)。
一方、安藤さんから、社会人になってスーツは着る機会がほとんどなかった私にとって有意義な話がいっぱい聞けました。後述します。
スーツ市場もなかなか大変。イベントを一緒に企画したいと意気投合
出会いのきっかけは出張靴磨きでしたが、「『スーツ×革靴』のイベントを今後ぜひやりたい」という話があがりました。
安藤さんと話しているとスーツ業界も近年の軽装化の流れで着られなくなったり、アパレルブランドの低価格帯スーツの販売が進んで競合が増えたりと、大変そうでした。
実際に調べて見ると、革靴と同じくなかなか辛い市況です。
9日までに決算が出そろった大手4社のうち、19年4〜6月期の青山商事、AOKIホールディングス、はるやまホールディングスの純損益が赤字だった。18年10月〜19年6月期のコナカは赤字こそ回避したものの、純利益は半減した。ホワイトカラーの男性のカジュアル化に拍車がかかり、従来のスーツやワイシャツの売れ行きが鈍っていることが原因だ。
(中略)
「カジュアル化・カスタマイズ化などで業界の参入障壁が低くなり、他業界からの参入が増えている」(青山商事)。カジュアルなビジネススタイルを求める若い男性は、セレクトショップなどに向かうようになった。オーダースーツの分野にはFABRIC TOKYOに代表されるスタートアップ企業の参入が相次ぎ、オンワードホールディングスのような老舗企業も巻き返しを図っている。
「職場のカジュアル化」が逆風 青山商事、AOKI、はるやまが最終赤字に
https://www.wwdjapan.com/articles/911168
たしかに職業柄なのか時代なのか、私の職場でも往訪先でも、本格的なスーツや革靴を着用している人をあまり見ません。
ただスーツも革靴も、作り手の培ってきた伝統や着る人の表現したいカルチャーがあります。
たとえば私の場合、浅草の職人によって精魂込めて作れた革靴が放つ雰囲気が好きだし、長年普段履きして使い尽せるスタイルの革靴を選びたいと思っています。
そのように、生活者は各商品を理解して選び、自分のライフスタイルに合ったものを好んで着こなせるような世の中にしたい。この想いは私も安藤さんも変わらないと感じました。
オンワード本社にてヒアリング、採寸してもらった
安藤さんからそう言っていただいた手前、「スーツのことは不勉強すぎるなぁ」と焦り、リサーチを始めました。
IT系に勤める社会人が着こなせるスーツは何か? 自分にとってカッチリし過ぎない服装を追究したく、主要なオーダースーツ販売店各社のホームページを見て記事にまとめたりしていました。
そうこうしているうちに安藤さんからお声がけいただきました。
そこで田町にあるオンワード本社へお邪魔してきました!
改めてオンワードとは?
https://kashiyama1927.jp/men/suit/
私がうかがったのはオンワードホールディングスの本社。
オンワードさんは「人々の生活に潤いと彩りをご提供するおしゃれの世界」という事業テーマのもと国内外でサービスを展開しています。
今回オーダースーツを作るのは、同社グループにある株式会社オンワードパーソナルスタイルさんの「KASHIYAMA the smart tailor(カシヤマ ザ・スマートテーラー)」というブランドです。
日本人に合う体系のイタリアンクラシコという型・仕様が強みの同社は、3万円代から本格的なスーツがオーダーできます。
ただし今の日本人の生活に合わせたスーツを作ることに注力してこのイタリアクラシコに絞って展開しており、お客様からは好評いただいてますよ。
と自信満々の安藤さん。なんだかこちらもワクワクしてきました!
ライフスタイルに合う素材や作りのスーツを探す
さて、オーダーメイドの醍醐味は店員さんとの会話による調整。今回この機会を最大限利用して、安藤さんを大いに困らせることにしました!
- どんな服にも合わせやすく、現状手持ちが少ないネイビーのセットアップが良い!
- 平日にも着れるけど、祝い事の席にも使いまわせる生地や素材が良い!
- 太ももやお尻周りが太いので、ボトムスは特に伸縮性高い方が良い!
- カッチカチでキメ過ぎる、IT企業で浮くようなのは嫌だ!
- 私の体格に合って、とにかく格好良いのが良い!
自分で書き出していてもメチャクチャな要望なんですが(笑)。
安藤さんは「うんうん」と傾聴してくださいました。ここから私のニーズを咀嚼してもらい、ご提案いただきます。
クラシックスーツではなく“MODERN TAILORED(モダンテーラード)”にしましょう。
まずは「クリエイティブワーカー」向けに機能性を重視した同社製品を案内。とはいえ、私は「スーツ作りに来て中途半端にならない?」と不安でした(苦笑)。
しかし、そこはプロの安藤さん。私の不安を読み取ったのか、生地の見本表をパラパラとめくりながら二三の会話を挟んで、ページを止めました。
おお、これはすごい! ポリエステルながらパリっとし過ぎずコットンのような風合いです。
また洗濯可能な機能も助かります。今使っている同色ジャケットはシーズンが終わるたびにクリーニングに出すので大変なので……!
最後にセットアップの仕様を詰めていきます。安藤さんの頭のなかには数々の接客経験からパターンがあるようでした。
トラウザーズにはクリース(折り目線)を入れてフォーマルさを出しますね。
モニター越しに特別にイメージ画像を見せてもらったのですが、だいぶ完成形が見えてきました!
ジャケットとトラウザーズの順に採寸してサイズを決める
仕様が決まったところで、肝心の採寸です。私は着る機会は少ないものの、これまでスーツ選びには本当に悩まされてきました。
前述ですが私は学生時代にバスケットボールを6年ほどやっていたため太ももや尻が太く、大手スーツメーカーの既成品のスーツで上下を合わせようとすると失敗します。
ジャケットに合わせれば尻が張ってトラウザーズはぴちぴちに、トラウザーズに合わせれば肩が合わずジャケットがダボダボに……。
今回はそれらを伝えたうえでチェックしてもらいました。
・・・
まず私がチョイスしてもらった「MODERN TAILORED(モダンテーラード)」には、このようにサイズが細かく分かれたジャケットの見本があります。
そのなかからまずは肩の大きさを合わせます。私の場合は「46」というサイズみたい。
首の付け根辺りにシワが寄らないように見て調整します。
えっ、私、前肩だったんだ!
このように着る人の体格やパーツの可動域を意識して微調整してもらえるのもオーダーの良さですね。
(筋トレにハマっていたときに調べたことがありましたが、自分が前肩になっていたなんて当日まで全然知らなかったです。)
次に袖へ。この見本のジャケットには点線が描いてあり、捲るだけで作りたい長さがすぐ分かります。
個人差があるようですが、私は両腕が大体同じくらいだそう。袖に関してはちょっとだけシャツが出るようにしてもらいました。
ここでちょっと遠くから撮ってもらいます。
ジャケットを閉じたときに不自然なシワが寄らないかを素材の伸縮性を加味して、入念に見てもらいます。
終盤には、心配だらけのトラウザーズへ。腹部はシャツをタックインして座ったときに苦しすぎない長さに(太ってなくて良かった……♡)。
そしてトラウザーズの裾とふくらはぎ周辺の張りへ!
(ちなみに、この日は一番シンプルで服装の基準になりそうなストレートチップ(GRENSON)を選んできて正解でした。)
安藤さんも最後まで入念に、気合いを入れて見てくださいます。
……だって小東さんにとっては、ここが肝ですもんね!
え”、安藤さん鋭っ!!!(笑)
革靴愛好家には足元の見え方は超大事。
いちいち言うのも憚られたのであえて口に出さなかったのですが、太もも周りの履き心地と同様に私は気にしていました。密かに。
安藤さんには最後まで見抜かれっぱなしの助けられっぱなしでしたね。
最後に
オンワードさん、安藤さんの魅力を分かっていただけましたか?(笑)。
今回、社会人3年目にしてようやく本格的でリーズナブルなオーダースーツを注文してしまいました。
普段使いの工夫と祝い事での着用シーンなど今後も発信していきたいと思います。ぜひ検討材料にしてもらえれば幸いです。
参考までに、KASHIYAMA the smart tailar 「MODERN TAILORED」はこちら。最後まで読んでいただきありがとうございました。