現場は理想と現実の綱渡り! 岡山にてオールユアーズのツアーでアパレルの製造工程をざっくり学んできた!

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こんにちは、革靴伝道師として活動しているこひ先生(k_leather_lover)です!

最近はジム通いが楽しく、平日週4ぐらい行っています。

朝6時半からランニングマシンで30分間ほど軽めに走ってからマシンで2種目追い込む。全部で1時間以下くらいでさっさと帰って仕事を始める。

このサイクルを秋まで続けられれば身体つきが変わってくるかも? 続けられれば、ね……!

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私は今、広島県は尾道にいます。実は先ほどまで、お隣の岡山県にいてオールユアーズさんの縫製工場見学ツアーに参加していました。

今回は衣服が生まれるまでの工程や縫製工場の現場の声、使われている機械などご紹介します!

 

オールユアーズのイベントで岡山の製造工場へ

私はオールユアーズの「着たくないのに、毎日着てしまう。」セットアップを先日購入し、ここ最近の平日はほとんど毎日着用しています。

いくつか当ブログにも書きましたが、オールユアーズさんは一般の店舗販売だけでなく、クラウドファンディングをビジネスに活用しています。

購入者の方々をプラットフォームで募り、「共犯者」と呼んで製造過程を共有しながら一緒にブランドを作りあげています。

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私はセットアップを購入したとき、「せっかくなら共犯者になりたいでしょ!(笑)」と思ってクラウドファンディングのページ(現在は終了)から下記ツアーを申し込みしました。

【工場で製造の手伝いが出来ます】

「着たくないのに毎日着てしまう」のジャケットとパンツの製造工場でお手伝いすることができる権利です。

岡山県にある縫製工場で体験して頂きます。
そして、工場見学のように製造現場を見て頂くことも出来ます。

みなさまにお渡しする商品なので、実際にミシンを使って頂くことは出来ませんが、箱に詰める作業や、下げ札をつける作業など、かんたんな作業をお手伝い頂く予定です。

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そうして8月3日(土)、岡山駅前に集まったのはオールユアーズの河部さん、製造工場のご担当者さん、地元の方を含めた3人の参加者さんと私でした。温かく心強いメンバーに囲まれながらツアーが始まりました。

当日の流れは岡山駅に集合し、加工屋さん(後述)のマエダさんへ行き、ジーンズストリートで有名な児島地区をブラブラして『石春』のうどんを食べ、最後に縫製工場のシオタさん行くというプランでした。

 

そもそもアパレルの製造工程について

岡山県某所にある縫製工場に。ルックスはおっきな四角。

革靴の製造工程ならデザインを「紙型」に落とし込み、アッパーを扱う「製甲」、ソール部分を扱う「底付け」に割り振られ、分業するんだと少しはイメージできます。

ただ、いわゆるアパレルの製造工程はあんまり知らなかったので、河部さんや工場の担当者の方に質問攻めして(笑)、この機会に勉強させてもらいました!

アパレルの製造工程をざっくりご紹介

まず大きく分けて、デザイン⇒生地⇒裁断⇒縫製⇒特殊⇒加工という過程があります。生地を選び、デザインに沿って裁断してパーツを作り縫い合わせるのは何となく分かりますね(革靴とも似てる)。

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それでは縫製以降の「特殊」と「加工」について。前者はボタン(釦)やチャックなど、縫い合わせた後の細かい仕様を追加する工程だそう。

次に後者は洗ったり、ダメージ模様を付けたり文字通り「加工」を施す工程だそうです。もちろん実際はもっと深いはずですが、工場見学に必要な知識レベルはインプットできました。

アパレル業界内の役割分担:デザイナーとパタンナーの違い

細かい作業なので、ミシンの傍にはライトが備えられている

また他の参加者の方から「デザイナー」と「パタンナー」の違いについて質問が出ました。

細かい定義は各社バラバラかもしれませんが、ブランドの打ち出したいイメージや流行を取り入れて商品の提案をする人が「デザイナー」なら、素材や製法の特性を熟知した上で実際の工程に落とし込み管理する人が「パタンナー」のようです。

河部さんが「本来は製造現場を含めて全体を理解した上で、デザインなりパターンなりできると良いし、それをうちでは目指したいよね」と仰っていたのが印象的でした!

余談ですが、参加者の人が「ランウェイで笑って」を紹介してくれたので、勉強がてらちょっと読んでいます。二巻でさっそく重労働に倒れる現場の人が描かれていて大変そう……!

 

縫製工場で聞いた、アパレル業界の現状とオールユアーズの想い

さすが縫製工場、布のサンプルが本当に多い

お昼ご飯をいただいた後は、縫製工場で実際にミシンを使わせてもらいました。

その工程の前に、オールユアーズの河部さんや工場の担当者の方に国内アパレル・小売業の生産現場から見た現状を聞いてきました。

小一時間ほど濃厚なお話を聞けたのですが、私が特に気になったポイントに絞ってここではご紹介します!

アパレルブランドの原価開示は良いことなのか?

私は本業で広報やPR関連を仕事をしているので、広告宣伝費の予算が比較的潤沢な企業さんとお取り組みする仕事が多く、この話題は超ヒリヒリしました(笑)。

原価開示はいわば「お客さんのためにどれくらいお金を使っているのか」を数字にして出すスタンス。

明け透けに言えば、原価開示することで「ほら、儲けよりも、お客さんに良い商品出すために努力してんですよ!」と伝えられるわけです。

ただ、原価が低くても生活者に選ばれる理由付け(たとえばブランド価値)をするのも企業努力。

そもそも原価を抑えつつ、しっかり取り入れたい仕様と妥協すべき仕様の線引き(「理想と現実の綱渡り」なんて言い方も)を行い、関係各所とやり繰りして世に良い商品を送り出すのがアパレル従事者の仕事である、という趣旨の意見も。

海外で大量生産するブランドと、国内で下請けする生産現場の人不足

オフショアリングで人件費が抑えられる海外に工場を持ち、大量生産できるのは大企業の強み。

ただ、原価率の低下を追究するあまり、生産能力(リソースもナレッジも含めた総合的な力)が海外に流出し、国内に残っていかないという面もあるようです。

「かつての某ブランドのように『あそこで縫製の仕事やってるんだよね!』と周りに自慢できて、”箔”と技術が身についてお給料も貰えるようなところが国内に減ってきたなぁ」という回顧も会話に出ました。

https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/apparel_supply/pdf/005_05_00.pdf

革靴業界にも外需志向の上昇が見られますが、内需にも今一度目を向けて、国内の生産者を下支えしないと、結果的に業界全体がこのまま沈没してしまうのではと危惧してしまいます。

売る人、作る人、買う人が繋がるブランドに

参加者や河部さんとの会話で、ふとオールユアーズは「売る人、作る人、買う人が繋がるブランド」だと感じました。

その手段のひとつがクラウドファンディング。河部さんによると、今はそれだけに頼らず面白いことが他にできないか模索中だとか。

聞いていて面白かったのはオールユアーズの商品企画の進め方です。本来大手ブランドなら、企画書作って売れる見通しを付けて生産体制を用意していくようですが、そこにばかり時間を使いません。

まず「自分たちが欲しい」と思ったらせっせと企画して形にし、FacebookグループやLINEで興味ある人に声をかけ、30名分でも50名分でも、小ロットでも作って売ってしまう。

次にそれらのユーザーからヒアリングして、サイズや仕様をパターンできる部分をあぶり出して、本格的に製品化まで落とし込むそうです。売る人と買う人はもちろん、これなら作る人(生産現場)も仕様が固まっていて生産しやすそう。

スマホの漫画アプリ上である程度PVやコメント数が到達したら単行本化する、現代の出版業界の作戦にも似ていて、このやり方は超合理的だと思いました。

 

実際に縫製工程を体験してきた!

ツアーの参加者はオールユアーズの河部さんが8カ月以上修業された縫製工場で、実際にミシンを触らせてもらいました!

巻き縫い用ミシン

ウェーブしている部分で布二つを巻き上げる

ジーンズやワークパンツの一部に使われる縫い方で、「ラッパ」という金具を使って2つの布を巻くように施されます。

河部さんは前の予定で藍染めしてて爪がインディゴカラーだ

糸はチェーンを繋いだような仕上がり(=チェーンステッチ)に。

ロック用ミシン

Tシャツの裾とか、裏っ反してあみあみな部分が「ロック」

このミシンを使えば布がほつれないように仕上げる「かがり縫い」ができます。布の端っこをセットして押さえながら噛ませていくと、余分な部分がカットされていきます。

私もやってみたのですが、ミシン針が上手く当てられてなかったのか空中をロックしてました(笑)。「これぞエアーズロックやんか」とか煽られててワロタ、やってみてよww

ボタン穴用ミシン

感覚的に操作しやすい

正確に「ミシン」と言っていいのか分からないですが、マシン操作で穴の形状を決めて、穴を空けたい場所に置きにいくだけ。

私たちが使ったのはまず鍵型に糸を縫ってから、最後に「バチン」とメスが降りて穴を空けるタイプでした。音がデカくてビビりました(笑)。

 

最後に

似てる? 桃太郎ジーンズで一緒に撮ったった!

今回初めて岡山に行ってジーンズで有名な児島エリアや周辺の工場をまわったり、アパレルの製造現場で働く方々から有意義なお話がたくさん聞けたりしました!

このツアー参加者一行は、自分たちが普段身に着けている衣服がどういう工程をくぐり抜けてきているのかセンサーの感度がだいぶ高まったみたい。

ツアー後は帽子を脱いだり着ているTシャツをめくったりして「こんなところに、こんな製法が!」と驚いていました。

中盤に「理想と現実の綱渡り」という言葉もありましたね。アパレル従事者の方々は、ブランドの理想と生産現場の現実を今日も行き来しているかと思います。

オールユアーズさんはそこに真っ向から立ち向かい面白い商品をドンドン生み出す素直にカッコいいブランドだと思いましたし、河部さんたちの業界変えようとする気概と真剣な仕事っぷりには襟を正される思いでした。

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