国内革靴メーカー徹底比較! 店舗数や価格帯、設立年、経営理念など

革靴・靴磨き

自分が好きな革靴。先日、革靴メーカーの方とお話する機会がありました。

その方はかなりマーケティングの上流に携わっており、そもそも販売地域を東南アジアに拡げていく準備をしているとのことでした。

そもそも消費者にとって購入まである程度の時間かかる革靴。マーケティングは大変そうです。

ライバル企業が多いなかでプロダクトやプロモーション、諸々どう差別化しているのでしょうか。

そんな疑問から今回、国内の大手革靴メーカーを分析してみることにしました。

調査対象

今回取り上げるのは下記5社です。あまり革靴に興味のない人でも、聞いたことのある企業があるのではないでしょうか。

・リーガル
・スコッチグレイン
・三陽山長
・大塚製靴
・銀座ヨシノヤ
・マドラス

リーガル(REGAL)

https://www.regalshoes.jp/

ブランドの基本情報

社名:株式会社リーガルコーポレーション
設立:1902年
社是、経営理念:
靴を通して、お客さまに、足元から美と健康を提供する
ブランドメッセージ:
足元からファッションをご提案:時代を超えて愛され続けている定番から、時代にあわせて進化した商品まで幅広いラインアップをご提案します。

プロダクトやPRの詳細

店舗数:約200店
本店、旗艦店:(本店という括りは)特に無し
ソーシャルアカウント:FacebookInstagram
主要商品のプロパー価格帯:24,840~33,480円

特徴①:圧倒的な店舗数

今回調査した6社のなかでもリーガルは最も知名度が高く、ブランドが確立しています。設立年は最も古く、100年以上の歴史があります。

調べてみると直営店がどこよりも多い。公式サイトを見て目算で200店舗。百貨店やスーパーも卸しているので、消費者の目に写る機会がとても多いです。

特徴②:広いブランド展開

ブランドメッセージに注目してみます。革靴メーカーは素材や木型、製法のこだわりを訴求しがちですが、同社は「足元からファッションをご提案」と革靴をおしゃれの一部として捉えている。どこか余裕さえ感じます。

価格帯もそこまで高くないものの丈夫でしっかりした、まさに本格革靴の入門の地位を築いています。

一方でハイエンド向けに「シェットランドフォックス」や「REGAL TOKYO」という高価格帯のブランドも存在します。そこでは「靴へのこだわり」「靴の美しさ」といったガチさを訴求しています。

https://www.regaltokyo.jp/location/
https://www.shoes-street.jp/shop/brand/shetlandfox

 

スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)

http://www.scotchgrain.co.jp/

ブランドの基本情報

社名:株式会社 ヒロカワ製靴
設立:1964年
ブランドメッセージ:
「世界の良質な革」「日本の技術」が織り成す最高の一足を

プロダクトやPRの詳細

店舗数:8店
本店、旗艦店:銀座
ソーシャルアカウント:FacebookInstagram
主要商品のプロパー価格帯:32,400~64,800円

特徴:職人の技術、質の高い外国産の皮革

スコッチグレインも3万円前後で購入可能な本格革靴の入門編として知名度があります。直営店はアウトレット含めて8店舗ですが、伊勢丹など有名百貨店で購入できます。

他社との大きな違いはブランドメッセージにもある「世界の良質な革」「日本の技術」の2点。

フランスのアノネイ社から仕入れた良質な皮革を使っているのにも関わらず、比較的低価格に抑えています。また、それを浅草の工場で職人が丹精込めて作っている様子を発信しています。

工場見学(一般参加可能で私も参加した)を定期的に開催しているのですが、社長が直々に革の説明をしてくださったり、職人と直接話しができたり写真を撮れたりとかなり距離が近く、ブランドを体感できます。

 

三陽山長

http://www.sanyoyamacho.com/

ブランドの基本情報

社名:株式会社三陽商会
設立:1943年
社是、経営理念:
「真・善・美」
ブランドメッセージ:
伝えたいのは 日本の粋、技

プロダクトやPRの詳細

店舗数:7店
本店、旗艦店:(本店という括りは)特に無し
ソーシャルアカウント:FacebookTwitter (Twitterの最終更新は2015年)
主要商品のプロパー価格帯:30,240~160,000円

特徴:紳士の理想像を追求、商品名が全て男性の名前

そもそも母体である三陽商会は、革製品を中心に扱うブランドではなく、ポールスチュアートやマッキントッシュフィロソフィーなどアパレルブランドを有する会社です。

そのうち、革靴の一つのブランドとして三陽山長があります。

今回取り上げている革靴メーカーのなかでも比較的高価格です。下は5万から上は16万までで、ビジネスパーソンのなかでも高所得層の30~40代を狙っていると考えられます。

それゆえ、出店している場所も東京ミッドタウンや日本橋三越本店、高島屋など特徴があります。

http://www.sanyoyamacho.com/collection/premium_items/
http://www.sanyoyamacho.com/shoplist/

 

大塚製靴

http://www.otsuka-shoe.com/

ブランドの基本情報

社名:大塚製靴株式会社
設立:1959年(創業:1872年)
社是、経営理念:
「日本人の足にフィットし、服飾にコーディネートでき、永くご愛用いただける靴づくり」
ブランドメッセージ:
140年の歴史で培った、靴づくりへのこだわり

プロダクトやPRの詳細

店舗数:18店(シュー・パブ オーツカ)
本店、旗艦店:六本木(シューマニファクチャーズ [オーツカ])
ソーシャルアカウント:なし
主要商品のプロパー価格帯:24,000~25,000円(オーツカを参照)

特徴:直営店をほぼ持たず、百貨店やスーパーに卸す

大塚製靴はほとんど直営店を持たない一方、豊富なブランド展開を武器に百貨店やスーパーに商品を卸しています。

例えば英国のグレンソンやジョンストン・アンド・マーフィーなど海外の有名ブランドの生産・販売を請け負っていたり、ハッシュパピーやボンステップなど革靴に特別関心がない層でも買い求めやすい価格帯の商品を取り扱っています。

もちろん、ブランド名の「オーツカ」という冠を持つブランドも展開。オーツカ・オーツカ プラス・シューマニュファクチャーズ[オーツカ]・OTSUKA M-5 の4つがあります。140年靴作りに従事してきた歴史の深さを感じさせます。

 

銀座ヨシノヤ

http://www.ginza-yoshinoya.co.jp/

ブランドの基本情報

社名:株式会社銀座ヨシノヤ
設立:1907年
社是、経営理念:
三徳主義
ブランドメッセージ:
「履きよさ」を第一

プロダクトやPRの詳細

店舗数:75店
本店、旗艦店:銀座
ソーシャルアカウント:なし
主要商品のプロパー価格帯:29,160~108,000円

特徴:履き心地に特化

外反母趾向けの商品開発やシューフィッター配置など、履き心地の問題解決力を強みとして押し出している同社。

ホームページや店舗に行くと女性靴が目立ちますが、銀座六丁目本店では紳士靴のオーダーが可能です。ブログも公開されており、そこではパターンオーダーの様子が紹介されています。

 

マドラス(madras)

https://www.madras.co.jp/

ブランドの基本情報

社名:マドラス株式会社
設立:1965年(前身の亜細亜製靴株式会社は1921年に操業)
社是、経営理念:
「<価値ある商品>の創造と提供を通じて、多くの人々のより豊かな生活づくりに貢献」
ブランドメッセージ:
Contemporary Classic

プロダクトやPRの詳細

店舗数:15店
本店、旗艦店:銀座
ソーシャルアカウント:FacebookInstagramTwitter
主要商品のプロパー価格帯:21,600~46,440円

特徴:イタリア感漂わせるディテール

「マドラス株式会社」として創業したのは1965年ですが、母体である亜細亜製靴の歴史は1921年から始まっており、たしかな技術を有します。

海外の意匠や技術を取り入れる姿勢がうかがえます。舳先をイメージしたつま先「ビークトゥ」や返しと耐久性を両立させた「ブラックラピド製法」など、他メーカーではあまり見られない要素があります。

また、革の染付にこだわりを感じさせます。店舗へ行くと黒や茶はもちろん、バーガンディやダークグレイ、グリーンなど色が特徴的な革靴も。ただその分、革靴だけが悪目立ちしやすく、トータルコーディネイトに気を付けたいです。

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