世界一の靴磨き職人、長谷川裕也氏はやっぱり凄かった!

革靴・靴磨き

「靴磨き」をバー形式で行い、お客さんからお金をいただく。この市場を確立、拡大させているのが長谷川裕也氏です。

靴磨きを学ぼうと思い立った私が、最初に手に取った本は同氏の「靴磨きの本(亜紀書房)」でした。

靴磨き界における「教科書」を手がけ、世界選手権でチャンピオン(後述)に輝いた同氏。

今回は、彼が開いた靴磨き店「Brift H(ブリフトアッシュ)」にお邪魔し、磨いていただいた様子をお届けします。

長谷川裕也氏とは?

長谷川裕也氏は1984年生まれ。20歳の頃から丸の内や品川で靴磨きを行っていました。「靴磨きのイメージを変える」という大義を持ち、2008年に「Brift H」を立ち上げます。

2016年に冒頭の「靴磨きの本(亜紀書房)」を出版、2017年にロンドンで行われた「ワールド チャンピオンシップ シューシャイニング」で世界一に輝き、今もなお靴磨き界の中心におります。

・・・

靴磨きの実力も実績も申し分ない長谷川氏。メディアでもスーツでカッチリと身を包んでいてお堅い印象ですが、、、実はめっちゃくちゃフレンドリーなんです(笑)。

私が緊張しながら入店すると、「おーっ! お待ちしておりましたよー!!」と笑顔で気さくに声をかけていただきました。

「長谷川氏」というと、どうしても堅い印象が出てしまうため、これ以降あえて「長谷川さん」と書くことにします。

 

ポイント:丁寧、だけど優雅に磨く

私は今回、ネイビーのパラブーツ「ポー(POE)」を磨いていただくことに。

タグも保護していただく

アルコールを含ませたコットンで中を除菌してから、シューキーパーを装着。

白いネル布で表面の汚れをシャカシャカと軽快に落としていきます。

 

きれいに履かれていますねー!

 

楽しく会話をしていて、ふと気が付くとクリームに移っているんです。

同店で販売しているThe Cream(ザクリーム)のネイビー

長谷川さんの所作は無駄がなく、自然すぎてドンドン工程が進みます。もちろん汗ひとつかいていない(笑)。

あっという間にシューケア(シャインの前段階)が終わってしまいました。

ポイント:お客さんとのふれあいを大事に

長谷川さんのおすすめのウィスキーをいただきながら、世界一の靴磨きに酔いしれます。

ただ、長谷川さんは「磨きだけ」をしている訳では決してないんです。

例えば、いきなり小判型の豚毛ブラシを宙に投げ、手元にパシっと収める動作を。

 

今の見ました? かっこいいでしょう(笑)

・・・え、撮ってなかったの?w

 

靴磨きをエンターテイメントに昇華して、お客さんを喜ばせるために工夫されているんです。

なにか質問をすれば、革靴の歴史の本を出して見せてくださったり、使っているワックスについて丁寧に教えてくださったり。

 

「革靴人口を増やす」活動、良いですね!!

……チーム名は「革靴、履かなくて良いんかい(委員会)?」にしましょう。

 

会話が絶えない。でも磨きに一切のブレがないんです。

世界一の実力。背も高くてかっこよくスーツを着こなすダンディズム。それでも腰が本当に低くてユーモラス。そこに接客業の頂点を見ました。

 

磨きの様子と仕上がり

ここからは磨きの様子と仕上がりを見ていきます。

早すぎる下地作り

シューケアを終えた後はお待ちかねのシューシャイン。堅いワックスと柔らかいワックスを使って、下地作りです。

その工程が、本当に早く、正確に層を積んでいっており驚きでした。

正しい表現か分かりませんが、柔らかいワックスで下地の下地。そこから柔らかいワックスで、堅いワックスを擦り取ってさらに強化。そのように見えました。

そこからトゥ全体に、バランスよくワックスを広げていきます。

つま先には自然と盛れるから、サイドが足りなくならないように特に注意している、とのことでした。

実際、トゥのサイドに指で「ツー」と線を引いていたのが目に焼き付いています。

あっという間の水研ぎ、ブラッシング

おなじみの赤ネルを巻いて、水(もしかしたらアルコール入り)研ぎされていました。

下地の完成度が高すぎてトゥが一瞬で光る。私も同じサフィール缶使っているのですが、長谷川さんは水研ぎから光るまで早すぎて笑う。

また、ワックス層の境や細かい部分に浸透させるために、豚毛ブラシで柔らかいワックスを少し擦り取って磨いておりました。

この後、ヴァンプ周辺にもワックスを少し付けたブラシで磨いて光っている部分のバランス取っていました。このテク、パクります。

最後に、アルコールでラバーソールの汚れも拭き取ります。普段のケアでは完全に盲点でした。

仕上がり:ビフォーアフター

こちらがビフォー。

こちらがアフターです。

全然違いますよね? 前も後ろも見違えるようです。これ、履けるかなぁ。

・・・

ちなみに長谷川さんご自身にもせっかくなので、エモい感じで撮ってもらいました。

ちょっと余白出す感じで撮ってみました!!

…だそうです(笑)。

先に向かってワックスが濃くなっていくプロの技。ありがとうございました!

紳士靴の料金体系

ブリフトアッシュの料金は靴の種類と納期によって変わります。

靴の種類価格 (yen)納期
メンズシューズ4,000当日~翌日
3,3003~6日
2,9001週間~
ロングブーツ5,000当日~翌日
4,0003~6日
3,5001週間~
※私の場合、長谷川さんご指名で磨いていただいたため【+2,000円】

参考:http://brift-h.com/menu/menu_list/

店舗へのアクセス

ブリフトアッシュは「表参道」駅B1口から徒歩8~10分で着きます。

 

 

住所:〒107-0062 東京都港区南青山6-3-11 PAN南青山204

最後に

楽しんでいただけましたか? めちゃめちゃ目力強めてドヤ顔で撮らせてもらいました(笑)。

革靴だけでなくスーツやネクタイ、ウィスキーなど紳士の嗜みに造詣が深い長谷川さん。

コラボネクタイも。宣伝します!w

彼の磨きも振る舞いも、全て込みでぜひ店頭に足を運んで体感していただきたいです。

■撮影協力
石川大補さん(@dangerous_intelligence_by_dsi)

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過去に記事で紹介した「靴磨きの本」にサインしていただいました! 本を持っていくと金のペンで直々に描いてもらえますよ。

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それではまた!

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