こひ先生というTwitterアカウントを作ってから、社内部活でやっていた靴磨きが社外イベントになり、「複業家」として細々活動しています。
今回はその「出張靴磨き」がどういったものか、具体的に説明していければと思います。
「出張靴磨き」とは何か
サービス形態
私は複業で隔週金曜日に、他社にブースを設けて靴磨きをしています。
従業員のパーソナルな雑務を巻き取る「コンシェルジュ」というサービスを提供している会社さんがあり、ご縁あって「靴磨きのゲスト枠」を作ってくださいました。
これまで1年で十数回やってきました。普通のビジネスパーソンが靴に対して何を考えているのか、マーケット感覚が養われてきましたので、ここで記事にします。
実施目的:革靴を履く人口を増やしたい
私自身、革靴を履く人を増やしていきたい。靴磨きの文化はその一環だと思っています。
なので、私が磨くお客さんには革靴を手入れすることを身近に、ラフに感じてもらえるようにしたいです。難しいことはあえて控えて、基礎知識を持ち帰ってもらえるように工夫と準備をしています(後述)。
出張靴磨きに使っている道具
大前提:世の中のビジネスパーソンは忙しく、普通手入れしない
ひと枠15~20分のなかで、どう満足させるのか。ここをいつも研究しています。
恐らくこの記事を読んでいる皆さんは、普段手入れをされている方だと思います。ただ、私が磨く人の大半は「全然磨いてないから教わりに来ました!」という方たち。
そのため「シューケア重視」で、かつ「後で自分でも磨けるようにスタンダードな知識」を目指しています。
汚れ落とし:色々考えてツーフェイスローション
私はブートブラックシリーズ(コロンブス)のツーフェイスローションを使っています。
当初私はプライベートでも、Mモウブレイのステインリムーバーを使っていました。水性で革に優しいリムーバーとして初心者には良いのですが、以下の理由からツーフェイスローションにシフトしました。
- 自己流のケアで、油性か何かを付けた革靴が出てきた
- 15分という限られた時間で、汚れ落としに時間を割けない
ステインリムーバー自体は個人ユースでおすすめです。ただ、出張靴磨きという特性上、水性・油性両方に対応できるツーフェイスローションに軍配が上がるというわけです。
クリーム:乳化性と油性、色は黒、茶、透明
まず、どんな靴が来るか予想がつきませんので、定番を網羅しています。
- ブートブラック(コロンブス):デリケートクリーム
- ブートブラック(コロンブス):黒、コーヒーブラウン
- クレム1925(サフィール):黒、ブラウン、ニュートラル
基本はブートブラックの靴墨を最初に使い、最後にクレムを少量塗って照りを出します。
注意が必要なのが、黄色系の茶色が来たとき。対応が難しいので、理由を説明してクレムのニュートラルでケアしています。
また、全然手入れがされておらず、カサカサに乾燥している革靴も来ます。その場合は最初にデリケートクリームを塗っています。
ブラシ:ひと通り全部置いておくが、説明は端的に
靴磨きを普段しない人にとって、ブラシの使い分けはあまり理解できません。そのため下記を絞って説明するようにしています。
- 馬毛ブラシで埃を落とし、豚毛ブラシでクリームを入れ込むこと
- 豚毛ブラシは色によって使い分ける(=複数本用意が必要)こと
- 仕上げに山羊毛ブラシという柔らかいブラシもあるが、初心者はストッキングでOK
山羊毛ブラシまで言及するとワックスによる仕上げの話も必要になり「そんな靴磨きって難しいのか…」と思われかねないので、あえて控えています。
一方、靴磨きを身近に感じてもらうために敢えてハンズで安く買えるグローブやストッキングを使って仕上げを見せています。
ワックスなど:キズ隠しや時間が余った時用に
基本的にケアに時間を使うためシューシャインはあまりできません。
ただ、後ろの時間が空いていたり、つま先がぼろぼろで穴埋めの方が最重要だったりするとKIWIのパレードグロスを使い対処します。この工程は、明らかに光っていくため、やっぱり驚かれます。
きれいになる様子を見てもらうのは嬉しいのですが、その反面、「自分には難しいな」と思われて靴磨きが敬遠されそうで諸刃の剣です。ちなみにミラーグロスのような光りやすいけど硬いワックスは、穴埋めに使いづらいため汎用性の面で止めました。
また、以前ナイトリキッド(コロンブス)で表面をぺっきんぺきんに固めてきたお客さんがいたため、対策として、ポリッシュクリーナーを持つようにしました(一応)。
知識を持ち帰ってもらう工夫
革靴の選び方と手入れの仕方のPDF資料を事前配布
私の出張靴磨きは事前予約制で、予約確定した人にはメールがいくようになっています。
なので、その人たちには下記にも記載した資料を事前に配布しています。そこには革靴の選び方と手入れの仕方を簡単にまとめた資料を配布しています。
問診票(本日どんなケアをしたか)をその場で渡す
「結局、どういうケアをしたの?」という話になったら元も子もないので、本日ケアした内容にチェックマークを入れた問診票をお渡しするようにしています。
まとめ
以上、ITベンチャーに勤めながら大好きな革靴を磨いている私の個人活動でした。最終的にこんな感じにまとめて、仕事鞄と一緒に持ち運んでいます。
Twitterで「#出張靴磨き」というハッシュタグでツイートしたり、モーメント作ったりしているので良かったら見てみてください。
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