マドラス大口工場に新設「Museo de madras」と工場見学に行ってみた【祝100周年】

革靴・靴磨き
こひ(筆者)
こひ(筆者)
こんにちは、革靴伝道師として活動しているこひ先生(@k_leather_lover)です!

外はやっと暖かくなり桜の花びらが見られるようになりましたね。休日は「春の嵐」でぐずついて天気が続いていますが、来る春本番に向けて、皆さん装いを切り替えているのではないでしょうか。

今日はそんな晴れやかな気分にぴったりなニュース。以前から私のブログでも記事にしているマドラス株式会社さん(以下マドラス)が100周年目を迎え、愛知県にある同社大口工場にて記念イベントが行われました。

それに合わせて新設された、同社の歴史がつまった展示「Museo de madras」(ムゼオ・デ・マドラス)と工場見学について今回はご紹介します。

 

オーダーシューズ(MOSS)を大口工場で以前作ってもらった

いつか「凱旋」と言えるほど成果を掲げてもう一回来たいw

私にとって、マドラスの工場に行くのは今回が初めてではありません。以前オーダーシューズ(Madras Order Shoes System)を頼んだ際に一度お邪魔して、製造工程を観させてもらいました。

職人さんの手による緑色の素晴らしいパティーヌ(染色)を見た時の感動は今でも忘れられません。今回のイベントではその時に作られた靴を履いて工場に戻ってきました。

●関連記事:
・私がマドラス(MOSS カスタムオーダー)を手に入れるまで
・マドラスの工場見学! 各工程で革靴職人の技術を間近で見てきた

 

マドラスは2021年5月18日で創業100周年。工場ツアーと展示を新設。

会場となった工場2階は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためソーシャルディスタンスが保たれ、皆さんマスクをしているしっかりとした体制でした。

イベント冒頭でマイクをとる岩田達七社長

5月18日で創業100周年を迎えるマドラス。この節目に自社の歴史を振り返られる、記念の展示「Museo de madras」(ムゼオ・デ・マドラス)を工場内に設けられました。また小学生以上を対象に、予約制の工場見学も併せて開始されました。

岩田達七社長は「歴史があるから良いモノづくりができる」「地元の小中学生にも、この工場に来てモノづくりを知ってもらえれば」という趣旨の挨拶を大勢の記者の前でされ、靴事業に対する誇りや想いの強さを感じました。

 

工場見学ツアーの展示、予約方法のご案内

貴重な資料がアルバムにまとまっている。もっと見たかった…!

アーカイブルーム「Museo de madras」(ムゼオ・デ・マドラス)には同社の歩みを振り返れるクラフトマンシップゾーンと、実際の商品を手に取って購入もできるショップゾーンの二つから構成されています。

同社の成り立ちから今までのモーメントを並べた年表や当時の工場の様子、靴づくりの工程など、戦前戦後の日本のモノづくりを学ぶうえで歴史的に貴重な展示ばかり。革靴を詳しく知らない人でもつい見入ってしまいます。

靴づくりを全然知らない人でも一通り学べる、丁寧な解説。

リーガルや大塚製靴が「軍靴」を日本で最初期に作り始めたのは書籍で知っていましたが、マドラス(当時は亜細亜製靴)が「民生靴」を作り始めた最初の企業だったのは知らなかったです。

次に工場見学ですが、革靴のアッパー(上部の革の部分)とソール(中敷き含め地面と接する部分)のそれぞれの製造工程および、縫合や仕上げまで一通り見られます。

今回のイベントでも改めて拝見しましたが、職人さんによるパティーヌ(染色)はもちろん、切り出した革の重なる部分がゴワつかないよう漉き、丁寧に縫合する作業が緻密すぎて度肝を抜かれました。

●工場見学の予約に関して詳しくはこちら:
https://www.shoe-style.jp/contents/factory_tour/reservation

・・・

余談ですが、入り口にあるデカデカ靴がめちゃめちゃ目を引きます(笑)。ボブスレーの車体みたい。しかし、本当に革でできているんですよ。

写真は今回旅のお供をしてくれた名古屋の盟友、おかてつさん(@Schuhputzer621)! 名古屋駅から色々とご案内いただき、本当にありがとうございました!

 

最後に:場所や100周年記念モデルについて

革靴好きの人も、そうでない人も、名古屋にお立ちよりの際は工場見学のご予約をぜひご検討ください。名古屋鉄道犬山線「柏森駅」に下車し、そこから車で15分ほどのところにあります。

・・・

また会場で展示されていた製品のうち、マニア向けに、特に気になったお靴をちょっとだけご紹介。

写真だと少々分かりづらいですが、手染めの色ムラが効いていて素敵。

こちらも100周年モデル。秋冬もの。

こちらの100周年記念モデルの靴も春夏、秋冬でそれぞれ販売されるようです。

こう見えて、型押し加工ではなく天然モノ!

革製の靴底は「ラグリンズィート」というイタリア製の天然のシボ革(要は未加工!)でできていて、それぞれあえて個体差が楽しめる仕様になっています。注目です。

編集後記みたいなもの

私は高校と大学時代にアルバイトで革靴の販売員を合計4年ほど行っていました。別の記事でも書いたことがあったかもしれませんが。

「日本で一番革靴を売っている大学生アルバイターじゃないか?」と自負していたのですが、そこでマドラスの「Modello(モデロ)」を売りまくっていたんです。

ただし私がいた店舗のマドラスの取り扱いは、白やカーキなど色物が多く、デザインもイタリア然として際立っており、「大学生の私は履きこなせないわ!」と敬遠していました(ていうか貧乏学生だったので買えないw)。

それが今ではブログ活動を通じてご縁があり、工場見学やイベント実施、そして世界に一つだけのマドラスをオーダーするまでになりました。そういった個人的にも繋がりの深いメーカーが100周年を迎え、勝手ながら大変嬉しく思っています。

同社のこれからの歴史に、また、革靴人口を増やすことに貢献できるよう、私も発信を引き続き頑張ります。

タイトルとURLをコピーしました