なぜマドラスとミズノがコラボ? 発表会の現場から背景を紐解く

革靴・靴磨き

以前、革靴の売れ行き(販売数)が年々低下傾向にあるということを記事に書きました。

「革靴人口を増やす」という想いは、まさにこの課題感から来ています。

・・・

今回マドラス社さんのご厚意で、ミズノ社さんとのコラボ商品の発表会に呼んでいただき、取材しました。

なぜスポーツシューズに強みを持つミズノ社と、革靴作りの老舗マドラス社が手を組むのか。そのコラボの背景から「業界における課題解決の姿勢」を覗き見します。

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発表会の概要

  • 会場:赤坂インターシティAIR 4階
  • 開催日時:2/18(月) 14:00~15:00
  • 概要:初コラボ、ビジネスシューズ・ウォーキングシューズ発表会

靴小売の専門誌やスポーツ紙、Webメディアの方々など、約60~70人ほどの関係者が集まっていました。

 

どんな革靴ができたのか

大きく分けると、下記2点あります。

  1. ウォーキングシューズ:全2タイプ
  2. ビジネスシューズ(ドレス、ビジカジ):全8タイプ

お値段は税込 1. が20,520円、2. が24,840円と革靴にしてはなかなか安価に押さえられています。

全国の百貨店とマドラス社直営店・7箇所、ミズノ社直営店・40箇所で3/11から販売スタートになります。

 

なぜ2社がコラボするのか

取り上げられていた理由

気になるコラボの理由ですが、大きく下記2点です。

  1. 革靴、スポーツ靴という販売チャネルをまたいで面が広がるから
  2. ビジネス、スポーツ両者の知見を活かした質の高い靴作りができるから

業界としてクリティカルなのは1. かと思います。2. はもちろん重要ですが選ばれるかどうか以前に、生活者に知られて行き届くかどうかが大前提だからです。

会場では矢野経済研究所のデータが映し出されていましたが、ここでは割愛します。

市場と向き合う重要性

イベントをうかがっていて「やっぱり」と感じたのは、高齢化によるウォーキング実施層の増加を狙っている点です。

近年の軽装化によるスニーカー普及もたしかに脅威ですが、そこよりも増え続ける高齢層をどう取りこぼさず顧客にするかが肝になるでしょう。

販売員時代よく聞きましたが、加齢により足の筋力が全体的に落ちて、アーチ(土踏まず)がゆるくなり、コンフォートシューズなど履き心地の良い靴が好きになってくると言います。

となれば、革靴メーカーのマドラス社が、人体や動きの専門であるスポーツメーカーのミズノ社と組み、販路を広げ、ウォーキング志向層を取り込める商品を作りたいのは頷けます。

 

実際に触ってみた、履いてみた

ではどういう風に両社の技術が盛り込まれているのか。

簡単に言うとアッパーにはマドラス社のパティーヌが、アウトソールやインソールにはミズノ社の履き良さの技術が搭載されています。

ブースがあったのでビジネスシューズ・ドレスモデルを実際に触って、履いてみました。

ミズノ社のこだわり

ミズノ社の強みであるアーチサポート。写真は左足の中身ですが、土踏まずにクッションが盛り上がっているのが分かりますよね。

アウトソールには「インタークール」という湿気を輩出する仕組みが。また、踵には耐摩耗性が高められた特殊なラバーが使われています。

サイズ感ですが、以前履いたマドラス同様25.5cm を選んだところ、気持ち、甲回りが大きくとられていました。25㎝でも良かったかな??

ただ、思いのほか軽い。さすがウォーキングシューズ。もう少し長時間履けば、強みのひとつである「通気性の良さ」を試せたかなと思います。

マドラス社のこだわり

先ほどは黒靴だったのでパティーンは見られませんでしたが、茶やネイビーには特有のムラ感が見受けられました。かっこいい!

会場では筆やスポンジを使って染付している様子がデモンストレーションされていました。

特に、スポーツ関係の人にとっては印象深かったかと思います。

 

まとめ

今回マドラス社、ミズノ社が新しい取り組みを行い、業界を驚かせました。販売チャネルの拡大と、ウォーキング実施層のニーズを汲んだ靴作り。こちらがコラボレーションの背景になります。

マドラス株式会社・石川尚氏(左)、ミズノ株式会社・山本仁氏(右)

「アクティブシニア」なんて言葉もでてきましたが、今後は元気で活動的な高齢層も増加傾向に。

そういった方に愛される革靴をメーカーは増やしていけるのか。ここがポイントになりそうですね。

3/11の発売ですので、ぜひご興味ある方は足を通してみてくださいね。

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