社会人になって、革靴の手入れ・靴磨きしなきゃいけない……でも何を買えば良いか分からない!
そんな方のために今回は革靴用の「ブラシ」を特集してみました。
私自身靴磨きが好きで、出張靴磨きもするのほどです。ブラシの良し悪しを色々な面で語れると思いますので、どうぞ参考になさってください。
革靴用ブラシの種類と使い分け
靴磨きに使うブラシは用途によって毛の長さや硬さが異なります。つまり、手入れの段階に応じて使い分ける必要があるんですね。
ここからは革靴ブラシの種類と使い分けについて具体的に解説します。
ブラシの種類
一見して同じように見える革靴用のブラシですが、大きく分けて3つあります。
- 馬毛ブラシ
- 豚毛ブラシ
- 山羊毛(やぎ)ブラシ
高級なものから廉価なものまで値段はピンキリですが、どのブラシもそれぞれ3000~10000円あれば揃えることは可能です。
■関連記事:
革靴のお手入れ、基本の磨き方特集! 頻度や道具、手順まとめ
ブラシの使い分け
それでは具体的な役割、使い方の違いについて説明していきます。
馬毛ブラシ
馬毛ブラシは一言でいうと、埃・汚れ落とし用のブラシです。革靴のお手入れを始めるとき、まず表面の汚れを払い落とすのに使います。
見た目は豚毛ブラシに比べて毛が長く、触り心地も柔らかいのが特徴です。
アッパーが乾燥していても傷まないように、適した柔らかさの馬毛ブラシが重宝するというわけです。
豚毛ブラシ
豚毛ブラシは一言でいうと、靴クリーム(靴墨)を浸透させるためのブラシです。
一般的なお手入れでは、アッパー表面をクリーニングにした後にクリームを塗布します。ただし塗っただけではベタっと表面にクリームが乗ってままの状態です。
そこでコシが強く毛足の短い豚毛ブラシで、力を入れて磨いて浸透させると、革に栄養が行き届いて輝いてきます。
山羊毛ブラシ
山羊毛ブラシは一言でいうと、最後の仕上げ用ブラシになります。
クリームを使ったシューケアが終わり、ワックスを使ってシューシャインを行う最後の仕上げのときに、埃を払って小傷を隠すために使われます。
そのため上記2点よりも非常に柔らかく、ふっさふさです。
購入のポイント、注意点
ここまでそれぞれのブラシの特徴を書きましたが、道具を揃える際に気を付けるのは下記です。
- 馬毛ブラシはあくまで埃落としが中心のためそこまで迷わないで良い(使わない人もいる)
- 山羊毛ブラシはシューシャインを行わない場合は、あまり必要ではない
- ただし、豚毛ブラシは他よりも力を入れて磨くため、特に吟味した方が良い
それでは、3. について後述していきます。
種類が多い豚毛ブラシの選び方のコツ
私は靴磨きを始めて2年ほど経ちますが、豚毛ブラシは10~15本ほど試してきました。
豚毛ブラシはお手入れで100%使うので、何かセットで買うと、確実についてくるんですね。
そのなかで色々試したり、人に勧めてきて分かったことがあるので選ぶコツをまとめます。
握りやすい大きさ、形か
豚毛ブラシを使うとき、ゴシゴシとアッパーを行き来させるため、握力をそこそこかけます。
そこで握りやすいサイズか、またブラシの柄がはみ出しても握りやすい形状かがポイントになります。
毛量、毛質はどうか
先ほど「3000~10000円で買える」言いましたが、毛量や毛質が異なってきます。
おすすめの買い方は黒か茶色で頻繁に使うものには、5~6000円でそこそこ良いブラシを用意することです。
安いブラシでも磨けますが、よくあるトラブルとして、毛がスカスカで磨くのに時間がかかったりします。
また、毛の植え込みが甘いブラシだと、磨いている途中にぽろぽろ抜けてくることもあります(初めのうちは仕方ない場合もありますが)。
筆者が使うおすすめブラシ6選:レビュー
おすすめ①:平野ブラシ&M.モゥブレィ
- 正式名称:HIRANOブラシ ブラック
- 価格:5400円(税込)
平野ブラシとモゥブレィのコラボブラシです。黒豚毛が植えられた存在感が抜群のブラシです。
コブシ2個並べても足りないくらい大きめ。でも、柄の形状が緩いU字カーブをした「反り型」。手に良くフィットします。
ただ非常に残念なことに、生産が終了して大手オンラインショップでも品薄になっています。友達に誕生日でもらったこともあり、とても大事にしています。
おすすめ②:江戸屋ブラシ
- 正式名称:手植え靴ブラシ 白豚毛 反り型 別誂
- 価格:6480円(税込)
「別誂(別注)」と書かれた江戸屋ブラシ。こちらもU字の反り型で、小ぶりながら抜群のフィット感を誇ります。
また、江戸屋さんの手植えの凄さを実感させる逸品で毛が本当に落ちません。
彼女にプレゼントされてから、お気に入りのリーガルを磨く際使っています。
おすすめ③:コロンブス
- 正式名称:コロンブス COLUMBUS コロンブスブラシ豚毛(ツヤ出し)
- 価格:2916円(税込)
こちらはコロンブスのブラシ。長さも広さも①と同じくらい大きいです。
毛の密集具合は①に劣るものの面積でカバ―している感じ。値段も高すぎず丁度良く、コストパフォーマンスの高いブラシと思います。
また、使い込むと柄の山桜の木材がエイジングするそうで、楽しみです。
おすすめ④:サパトロ(Zapatro)
- 正式名称:Zapatro Bueno(ワイン)
- 価格:4320円(税込)
こちらサパトロという店舗ではあまりお目にかかれないブラシ。私は友人に勧められオンラインショップで購入しました。
こちらは見ての通り「小判型」の形状が握りやすく、コンパクトで持ち運びにも便利です。
また、他のブラシよりも毛足が少々長く、それでいてコシも強いのでかなり気に入っています。
おすすめ⑤:無印良品(くつみがきブラシ)
- 正式名称:くつみがきブラシ SHOE BRUSH
- 価格:490円(税込)
こちらは無印良品の靴磨きコーナーにあったブラシです。一言でいうなら、ザ・無難。
コロンブス社に似た形のブラシがあるのですが、それよりも毛足が長く、柄にガツガツ当たらないから安心です。
ただ、さすがに毛質は値段相応で、ぽろぽろよく落ちるのが難点です。
おすすめ⑥:M.モゥブレィ(プロブラシ) ※化繊ブラシ
- 正式名称:ブラシ プロブラシ 703131
- 価格:1080円(税込)
こちらはモゥブレィの化繊ブラシです。化繊ブラシとは「化学繊維ブラシ」の略で、正確には豚毛ブラシではありません。
ただ、化繊の最大の強みとしてお湯で洗うことが可能です。そのため、私は出張靴磨きや人からの依頼で予想外の色の靴クリームを使うときにこのブラシを使います。
毛はあまりコシがなく、フニャフニャです。……1080円だし、上記のような代打としてなら良いかな。
まとめ:革靴用ブラシについて総論
革靴ブラシの世界、参考になりましたか? 今回の記事を簡単にまとめると下記になります。
- 靴磨きに使うブラシには馬毛・豚毛・山羊毛ブラシの3種類がある
- 豚毛ブラシは力を入れる作業となるため、選ぶのに注意した方が良い
- 握りやすい形から毛質、価格と相談しながら、好みのブラシを見つけよう
以上です! 最後までお読みいただきありがとうございました。