「あ、もう布なくなっちゃった」
出張靴磨きを行う私ですが、布不足にたびたび陥ります。今まで渋っていたのですが、この度、自分でも布を量産するようになりました。
結局、専用のハサミさえあれば意外にDIYできたので、早くやれば良かったと後悔しています。そんなトライをご紹介します。
そもそも「靴磨き用の布」って何?
私は別の記事で、靴磨きには大きく二つの工程、「シューケア」と「シューシャイン」があると説明しました。
- シューケア:革に栄養を入れたり傷を隠したりする手入れ
- シューシャイン:ワックスでつま先やコバを多い、汚れ防止と光沢を与える手入れ
結論から言うと、上記2つで使う布が若干異なります。
まず、シューケアにおいては汚れを取り表面をすっぴんにするためにコットンを使います。ボロ布であったり古いシャツであったり、コットンであれば基本的に大丈夫です。
次に、シューシャインにおいてはただのコットンよりも表面の繊維が細かく柔らかなネル生地(同じコットンではあるのですが)を使います。鏡面磨きを行う上で、ワックス層を丁寧に重ねて広げていくのに向いているためです。
ネル生地の数にもし余裕があれば、シューケアもシューシャインもネル生地で一気通貫でできますよ。市販のものであれば、たとえば下記が有名。
ただし、汚れた面で鏡面磨きをするとワックス層の表面を傷つける恐れがあるので、綺麗な面で磨いてくださいね。
■参考:
革靴のお手入れ、基本の磨き方特集! 頻度や道具、手順まとめ
布はどうやって巻いているの?
基本的な布の捲き方をご紹介します。
布の巻き方 pic.twitter.com/GudXl9YLzW
— 小東真人(こひ) @靴磨くマーケター (@gxsoc_kohigashi) 2018年12月28日
まずは上記動画を観て頂きたいのですが、指に垂らしたネル生地をもう片方の手で絞り、ピンと張らせます。
その張った状態を維持して、指の腹を地面に向け手の甲を自分に返します。
そのまま、余った布を指の付け根に向けてグルグルと巻き付けて完成です。
ただ、シューケアの時は汚れを取ることが目的のため、動画のように巻きつけた布を握っていれば良いのですが、シューシャインの時は余った布同士を結びつけて固定しないと解けてしまいます。
布を安く買って自分で切って量産する方法
シューケアもシューシャインも本来は同時に行います。
そのため頻繁に靴磨きをする人にとって、わざわざ「普通のコットン」と「ネル生地」をそれぞれ用意するのは正直面倒くさい。
なので、ここでは一気通貫で済ませられる後者「ネル生地」の量産方法をご紹介します。
靴磨き道具としてネル生地を買うと、高くつく
私はハンズによく行くのですが、3枚500円くらいで「靴磨き用の布:ネル生地」といったパッケージで売られています。
最初は「こんなものか~」と思って黙って買っていたのですが、自分で作れるようになって気付いた。これめちゃくちゃ高いです。
冷静に考えれば分かるのですが、ただのネル生地(コットン)をジグザグに切って加工しただけなんですね。
手芸屋さんでネル生地とピンキングバサミを買う
男は黙って自作。ということで、SNSで出会った仲間たちからオフ会で頂いたネル生地を自分で切っていきます。
先がギザギザしたピンキングバサミを手芸屋さんで買ってきました。
このギザギザで切り出すことで、切った布の断面から糸がはみ出てチリチリになるのを防げます。
ハンズで買った布1枚分と、これから切り出す布を並べてみました。軽く3枚分は超えているので、手間賃を除けばまず元は取れそうです。
指一本の長さを確かめて、切り出していきます。
重りと縦ラインを頼りにサクサクいく pic.twitter.com/1DWIN5HsjE
— こひ先生 @革靴伝道師 (@k_leather_lover) 2019年2月3日
同じハサミで違うネル生地も切り出したのですが、上記したようにテーブルの直線に合わせて重りで固定しながら切っていきました。
15分の作業でこれだけ量産できました。最初にテーブルに広げた量半分は切り出しました。
紹介した道具たち
オフ会でいただいたのは下記。このネル生地は良いですよ。繰り返しになりますが、鏡面磨きにも汚れ拭きにも使えます。
・・・
ただ、困ったのはハサミです。私は値札を見ずにステンレス製の良いのを買ってしまったようです。。
ぶっちゃけますと、同じピンキングバサミなら下記でも良いんじゃないかと。メーカーも同一だし。。本当ミスった。。