私は「革靴伝道師」という肩書で革靴の魅力を広める活動をしていますが、革製のスニーカーも履きますよ(笑)。
特にスタンスミス。めっちゃ服に合わせやすいですよね。ニューバランス1400と並んで、2年以上履きまくってます(初稿の執筆当時)。
でも一方で、白い革のスニーカーって手入れしづらい。これも良く分かります。今回はスタンスミス並びに、白レザースニーカーのお手入れについてご紹介します。
※2021年1月:4年以上履いてケアし続けてきたスタンスミスを買い替え、新品との比較を加筆しました。
白スニーカーは合わせやすいけど、汚れが目立つ
スタンスミスをjマークで洗って、モゥブレイのデリケートクリーム塗りました。最後に防水スプレーも。
丸一年履いてますが全然きれいにできます。これからトゥの削れもアドカラーで対応します。 pic.twitter.com/Rq7O0r8aJi
— こひ先生 @革靴伝道師 (@k_leather_lover) 2018年2月12日
私は革靴だけでなくレザースニーカー履きます。特に本題でもある、アディダスのスタンスミスを愛用しています。
オフィスでジャケットを羽織る日は、このスタンスミスでカジュアルダウンさせることも。シンプルで主張しない白スニーカー、故にとても合わせやすいです。
ただ、そんな白さが仇となり、泥で汚れてたら余計目立つんですよね……!
完全な私服ならちょっとくらい汚れてても良いかもしれませんが、私はオフィスカジュアルで履いているので、気分が盛り下がります。
難しいケアの前に。履き終わりに毎日1分やると良いこと
スタンスミスに限らず、靴を履き終わった後、すぐラックや玄関に片付ける前に1分で効果の出るおすすめのシューケアの習慣があります。
それは、靴表面の汚れを払うための馬毛ブラシを玄関にひとつ置くこと。靴の表面には泥やほこりが日々付着してしまい、放っておくと汚れが浸透してしまったり乾燥が進んだりします。なので、
皺が入りやすいシューレースの始まりのところや土踏まずの部分を重点的に、サッサッと払うだけ。片足30秒で、本当に1分で出来てしまいます。
ちなみに私は段ボールを敷いて、その上で靴底の汚れも固めのブラシで擦り落とします。もうルーチンになってて。詳しくは下記記事でも紹介しているので、良かったらご覧ください。
●関連記事:デイリーケアについて
【帰宅後1分間】超簡単、革靴のお手入れ習慣! 初心者から玄人まで実践すべきケア方法まとめ
ケアの方法を2パターンに分けて考える
私はスタンスミスを丸二年履いてきました。色々と失敗含め経験してきたので、これまで培ってきたケアのノウハウをご紹介します。
「ガチ版」:頑固な汚れを落とし着色も行う本格ケア
ここからは私の持論ですが、ポイントは月一程度に行う簡単なケア「通常版」と、頑固な汚れを落とし着色も行う本格ケア「ガチ版」の二つに分けて考えることです。
通常版:天然由来のクリーナーで汚れ落とし
- ジェイソンマーク
- ぼろ布
- ウタマロ(もしくは普通の石鹸)
天然由来の革に優しいスニーカー用洗剤「ジェイソンマーク」をメインにアッパーをお掃除して、ウタマロで靴紐の汚れをジャブジャブ流して落とす割と簡単なケアです。
普通、大体これだけやれば綺麗になります。
ガチ版:強めのクリーナーによる脱色と顔料よる着色
- レノマットリムーバー(サフィール) もしくはメラミンスポンジ
- ホワイトレザー用補色・栄養クリーム エクストラホワイト 2112(M.モゥブレィ)
こちらは、ゴムでできたコバの頑固な汚れを落としたり、レザーの剥げてた部分を補修(補色)する本格的なケアになります。
今まで、アドカラーで白を絵具みたく塗ったりしましたが色が上手く乗らなかったり準備が大変だったりして、やらなくなってしまいました……。
結局この2種類さえあれば手間も掛からず良かったです。
ジェイソンマーク(Jason Markk)を使った簡単お手入れ
今日の主人公は丸2年使い続けている、私のスタンスミスです。
最後に手入れしたのが2ヶ月ほど前だったので、トゥの履きジワやコバなど全体的に黒ずんでいます。
羽根の内側はもはやグロ画像です。歯医者さんが数年間放置した虫歯を発見した時のような気分です。
やっぱり靴紐もえげつなく汚れていますね。
場合によって靴紐は150円くらいでABCマートで買い換えても良いですね(※ただし新品で買うと紐だけ真っ白いため、最初は少し浮くので注意)。
付属のブラシを手に取り、水に浸します。
水を少し含んだら、「ちょろちょろ」程度に洗剤をかけます。この後、一瞬また水を潜らせても良いですよ。
若干ピンボケしてしまい恐縮ですが、泡がちょっと盛り上がるくらい、ごしごしブラッシングしていきます。汚れが取れてきたら、布で掬い取っていきます。
泡ブラシ⇒ 水多めブラシ⇒ 洗剤かけてまた泡ブラシ ⇒布拭き……こんな感じで表面からゴミや黒ズミを除去していきます。
ゴム底のコバの部分もアッパーと合わせてブラッシングしていきます。
靴紐以外の通常版のケアが終わりました。履く頻度や汚れ具合によりますが、1~2ヶ月に一回を目安に私は行っています。
この後は洗面所に行って靴紐もジャブジャブ洗いました。
片方だけ洗ってみましたが、右と左の比較、分かりますか?
ぬるま湯に紐を浸して、ウタマロを擦り、揉み洗いしました。両足分終わったら桶に30分程度漬け置きして、絞ってから乾かしました。
汚れ落としと着色料を使った本格的なお手入れ
通常のお手入れだったら上記で十二分ですが、2年の劣化はこういう摩耗が見られます。
ベロの部分の黒ズミ。一部は紐が擦れたため削れてしまったみたい。
くるぶし周辺、レースステイのあたりも色落ちしがち。
またトゥも少し傷があったので、合わせて着色していきます。
ででん。ヘッドがスポンジになっていて、押し付ければ着色液が出てくる仕組みです。
見えづらいですが、すり傷になっている部分をちょんちょん色付けしています。
アップで見ると白くなったのが分かります。使いやすい上に確かな着色パワー。同様に先ほどのベロやレースステイも塗っておきました。
次にゴム底のコバも仕上げます。レノマットリムーバーは粘度が強くダマになりやすいので、蓋をしたままよく振ってください。
普通のアッパーの汚れ落としより、少しだけ力を入れて落とします。
おー、白さが蘇りました! もっと頑張れば真っ白くなるかもしれませんが、及第点でしょう。
【補足】ソール周辺もメラミンスポンジでお手入れ
ここからは補足で、こだわりたい人向けになります。ソール部分には「激落ち君」などで有名なメラミンスポンジがあれば使ってみると良いですよ。
ゴムのソールは日焼けなどの経年ヘ変化で黄ばみがちですが、わざわざ「ハイター」など化学薬品でガッツリ落としたくない人は、下記の方法でサクっと綺麗にすると良いでしょう。
そもそもメラミンスポンジはメラミン樹脂という固い素材をスポンジ状にしたお掃除道具。
空洞の多い網状の繊維で汚れを少しずつ削り落とします(※なので革の部分には使わないでくださいね)。
少し水を付けたメラミンスポンジを使います。野菜の皮むき器の要領で、キュッキュと力を軽く入れてソールをこすっていきます。
ボロボロとスポンジが摩耗するくらいがちょうど良いです。
右側がお手入れ後。完全に黄ばみが落ち切ったわけではありませんが、普通に汚れはすっきりさせられますよ。
最後に防水スプレーなど、レザースニーカーも革靴として扱う
一通りのケアが終わった後、デリケートクリームとクレムニュートラルを塗布してブラッシングしてみました。
普通の革靴のように、ホワイトレザーを使ったスニーカーも立派な「革」靴なので、ケアに応えてくれます。
個人的にはトゥの大きなシワに色が入り、大変満足です。
最後に防水スプレーをして、水や油、泥などから守ってくれるようコーティングするとなお良いですね。
さすがに「新品同様」とは言えませんが、逆にくたびれた様子が「味」と言えるんじゃないでしょうか。皆さんもどうぞ参考にしてください!
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4年以上履いたスタンスミス、お手入れの限界。新品との比較
私はスタンスミスが好きで、自分でケアしながら長年履いたのですが、先日とうとう買い換えました。最後にこの章では、お手入れしてもし切れない限界を愛用者ならではの視点からご紹介します。
さっそく比較ですが、左が4年以上履き続けたスタンスミス、右が最近購入した新しいスタンスミスです。同じ本革で、既に手入れが楽しみ……(笑)。
こちらいかがでしょうか。左は一週間前に上記のケアをしたのですが、甲まわりの革の地が出ているのが分かります。一方で新品は、革が経年変化しておらず、元の状態がシューレース(靴紐)と同じくらい白いですよね。
ここまで履くと色を塗り被せても数週間で露出してしまいますね。私の腕の問題も多少あるかもしれません。ただクリーニング屋さんや修理屋さんの汚れ落としに出しても、革表面の劣化自体を回復させるのは厳しいはずです。
次にアウトソール(靴底)です。かかとの部分はもちろん、足の親指付近の母指球のあたりも剥げてきてしまっています。旧スタンスミス君。4年もの間、大変お世話になりました。
白スミス良いね! pic.twitter.com/tRt7b9d0f3
— 小東真人(こひ) @靴磨くマーケター (@gxsoc_kohigashi) January 4, 2021
とはいえ白スニーカーはとても服が合わせやすく便利。今後はこの新しいスタンスミスを履いて、育てていこうと思います!
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