こんにちは、久しぶりに本の共有です。
革靴のマーケティングを勉強する以前に、ふと製造業やモノ作り全般を学びたいと思いこの度「シュードッグ」を手に取りました。
今さらですが、
ナイキ創始者フィルナイトの「シュードッグ」読んでいます。半分まで到達。
●日本のオニツカの魅力に気付き、単身日本へ
●会社も支店もその時無くても、ハッタリで在ることに
●強力なパートナーと着実に製品の質を高め、販路を広げる
●マイナーだったランニングのために常に全力— 小東真人(こひ) @靴磨くマーケター (@gxsoc_kohigashi) 2019年4月1日
▼魂ゆさぶられた一説:ナイキ創始者フィルナイトの「シュードッグ」より
●シュードッグとは靴の製造、販売、購入、デザインなどすべてに身を捧げる人間のことだ。
●靴の商売に長く関わり懸命に身を捧げ、靴以外のことは何も考えず何も話さない。そんな人間同士が、互いにそう呼び合っている。
— こひ先生 @革靴伝道師 (@k_leather_lover) 2019年4月6日
(読書中、興奮しすぎてつぶやきまくってしまった。。。)
言わずと知れた世界的ブランド「ナイキ」の創業者フィル・ナイト氏の自伝です。ちょっと古い本ですが2018年ビジネス書大賞作であり、20万部突破のヒット作です。
本の概要
- 筆者:フィル・ナイト / 訳:大田黒奉之
- 発行日:2017年11月9日
- 発行所:東洋経済新報社
前身であるブルーリボン社から、ナイキというブランドを開発し上場にこぎつけるまでの約20年間の歩みが凝縮されている本です。
フィル・ナイトの目線で当時のスポーツ産業や経済成長する日本、他のアジア諸国、靴に命を懸ける仲間たちとの奮闘の日々が語られています。
この本からはアントレプレナーシップ、リーダーシップ、経営哲学など色々学びのありました。読了後に振り返り、琴線に触れた箇所を自分なりにまとめると良いですよ。
おすすめポイント
世界的大ブランドの創業物語を思いっ切り追体験できる
フィル・ナイトは24歳から起業を志すのですが、冒頭から彼の人生観がうかがえます。
世界は戦争や苦痛、貧困に溢れていて、単調な毎日は心身を消耗させ、不公平なことばかりだ。
そんな中でただ1つの解決策は、けた外れに大きくてあり得ない夢、追い求める価値があり、自分に見合った楽しい夢を見つけて、アスリートのように一心にそれを追い求めることだ。
24歳の私には馬鹿げたアイディアがある。唯一残ったのはこの力強い確信だった。この確固たる真実は消え去ることはない。
私はナイキ社が元々は別名で、日本のスニーカー「オニツカ」の販売会社から始まったのを知りませんでした。会社を創り日本の靴をアメリカでヒットさせて、ランニング文化を根付かせるのがフィル・ナイト青年の「馬鹿げたアイディア」だったのです。
その後のナイキブランドができるまで、生産拡大に向けた必死の金策や裁判劇、仲間のマネジメントの難しさ、広告塔の選手の事故死やテロ被害など、大変な苦労を垣間見れます。
また物語終盤、上場を決めた1980年に自分の生き方を振り返り、こう言います。
“ビジネス”という言葉には違和感がある。当時の大変な日々と眠れぬ夜を、当時の大勝利と決死の戦いを、ビジネスという無味乾燥で退屈なスローガンに押し込めるには無理がある。
私たちにとってビジネスとは、金を稼ぐことではない。人体には血液が必要だが、血液を作ることが人間の使命ではないのと同じだ。
何かを作り改善し、何かを伝え、新しいものやサービスを、人々の生活に届けたい。人々により良い幸福、健康、安全、改善をもたらしたい。
この一節にだいぶやられました。私は何のためにベンチャー起業に入り、どんな使命感を持って日々を送っているのだろうか。とても奮い立たせられました。
靴作りに本気の男たちから仕事への向き合い方を学べる
後半になってしまいましたが、そもそもタイトルの「シュードッグ(SHOE DOG)」とはどういう意味かご説明します。
物語中盤でフィル・ナイトが工場見学をしているときに、工員に話しかける場面で突如(!)解説されます。
シュードッグとは靴の製造、販売、購入、デザインなどすべてに身を捧げる人間のことだ。
靴の商売に長く関わり懸命に身を捧げ、靴以外のことは何も考えず何も話さない。そんな人間同士が、互いにそう呼び合っている。
熱中の域を越し、病的と言えるほどインソール、アウターソール、ライニング、ウェルト、リベット、バンプのことばかり考えている人たちだ。
私が気に入っているのはこの後。そんな彼ら靴作りの従事者に、自分の会社を興して奮闘する境遇を重ねつつこうリスペクトを送ります。
だが私には理解できる。人が1日に歩く歩数は平均7500歩で、一生のうちでは2億7400万歩となり、これは世界一周の距離に相当する。
シュードッグはそうした世界一周の旅に関わりたいのだろう。彼らにとって靴とは人とつながる手段であり、だからこそ彼らは人と世界の表面をつなぐ道具を作っているのだ。
物語に出てくる人物は怪我でスポーツを断念してしまった元アスリートだったり、食いっぱぐれの現役のオリンピアンであったり、人体に詳しいランニングの鬼コーチであったり、誰もがスポーツを愛し靴が大好きなひとたち。
フィル・ナイトはそんな頼り甲斐のあるシュードッグたちと「勝利」に向かって「走り続け」ます。
こんな人に読んで欲しい
- ナイキやその他のスニーカーが好きな人
- 製造業に関心がある方、自分のブランドを作りたい方
- 本当に靴が好きでどうしようもない、シュードッグな人
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